サーキュラーエコノミー調査
2025-11-27 13:07:59

日本企業のサーキュラーエコノミー実態調査2025:進行の遅れと障壁の実情

日本企業のサーキュラーエコノミー実態調査2025



最近の調査によると、日本におけるサーキュラーエコノミー(CE)への取り組みは、企業全体で積極的に進めているのがわずか13.4%にとどまることが明らかになりました。この数値が示す通り、大半の企業がCEの推進に消極的であり、81.7%の企業が「未着手」または「不明」と回答しています。この問題は、単なる環境への配慮だけでなく、企業の持続可能な成長戦略にも密接に関連しています。

調査の背景と目的



株式会社メンバーズが実施した今回の調査は、日本企業が直面するサーキュラーエコノミーへの取り組みの現状を把握し、どのような課題が存在するのかを明らかにすることを目的としています。調査結果は、企業向けセミナー「独自調査が示すサーキュラーエコノミー推進を阻む『4つの障壁』」で詳しく解説される予定です。(2025年12月10日開催)

主な調査結果



1. 取り組み状況



調査によると、サーキュラーエコノミーに「全社的に積極的に取り組んでいる」企業はわずか6.2%、また「一部の部署や製品単位で取り組んでいる」と答えた企業を加えると13.4%となっています。この状況から、ほとんどの経営者が具体的な取り組みを行っていないことが分かります。それに対し「特に取り組んでおらず、具体的な検討もしていない」という企業は36.4%に達し、「わからない」との回答が45.3%を占めています。

2. 取り組み内容



企業が行っている取り組みとして最も多いのは「省資源・省エネ・廃棄物発生の抑制」で、29.1%がこの方法を選択しましたが、サービス化やPaaS(プロダクト・アズ・ア・サービス)のようなビジネスモデルの変革に踏み込んでいない企業も多く見られます。この傾向は、環境負荷低減に留まるもので、ビジネスの根本的な変革には消極的であることから市場競争の中で不利な立場に置かれかねません。

3. サーキュラーエコノミー推進の障害要因



障壁のトップは「専門人材の不足」で、これが24.5%の企業に影響していました。次いで、「法規制や政府の支援策の未整備」が21.4%、続いて「技術の未成熟さやコストの高さ」が20.9%を占め、最後に「サプライチェーン全体での情報連携・データ共有の難しさ」が19.9%と続きます。このことから、日本企業は複数の課題に直面していると言えるでしょう。

4. LCA算定時の課題



各企業の取り組み状況に応じて、ライフサイクルアセスメント(LCA)を算定する際の課題も異なることが明らかになりました。初期段階では社内の課題として「コストや算定方法の決定」が主な障害となりますが、進むにつれて「専門人材不足」や「社外連携の難しさ」といった課題が目立つことが分かりました。

5. デジタル製品パスポートへの対応



EUの政策であるデジタル製品パスポート(DPP)に対する準備状況を見ても、15.5%の企業が「対応を前提に準備を進めている」との回答でしたが、残りの約7割がまだ具体的な動きには至っていないというのが現状です。特に海外売上比率が10%を超える企業は、対応についての積極性が高い傾向が見られました。

今後の展望



調査通り、サーキュラーエコノミーへの移行が急務とされている今、企業はこの流れを追い風にする必要があります。気候変動や生物多様性の損失、資源の枯渇といった課題に対し、企業としてどのように持続可能な成長を実現するかが問われています。また、サーキュラーエコノミーを単なるコストと捉えるのではなく、競争優位の源泉とする必要があるのです。

全体の調査結果を踏まえ、日本がサーキュラーエコノミーへと進むための施策と企業戦略が具体的に整備されることが望まれます。変革期における企業の戦略構築に、今回の調査が一助となることを期待しています。


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会社情報

会社名
株式会社メンバーズ
住所
東京都中央区晴海一丁目8番10号晴海アイランド トリトンスクエアオフィスタワーX 37階(受付35階)
電話番号

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