高校生が主体となるファンドレイジング実践プログラム
株式会社の枠を越えた新しい教育の形が、角川ドワンゴ学園で実施された特別なプログラムで明らかになりました。特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会が主催し、高校生が社会とのつながりを深めるためにファンドレイジングを学び、実践するプロジェクトが行われました。この試みは、2025年1月から5月の間に実施され、文化祭に必要な資金を生徒主体で調達するための支援が提供されました。
ファンドレイジングとは?
そもそも「ファンドレイジング」とは、社会活動の意義や価値を広め、理解を得ることで寄付を募る行動を指します。そのために、資金調達の専門家であるファンドレイザーが重要な役割を果たします。全国には1,600人以上の有資格ファンドレイザーが存在し、この知識や技術を高校生に伝えることが今回のプログラムの目的です。
取り組みの背景
角川ドワンゴ学園では、昨年の文化祭において生徒が資金調達に直面した経験を契機に、学内の提案をきっかけにしました。この経験を横展開し、持続的な学びへと繋げるために、日本ファンドレイジング協会と連携し、「ファンドレイジング実践プログラム」を立ち上げました。このプログラムでは、生徒たちがファンドレイジングについて学ぶだけでなく、実際に資金調達を行うプロセスを体験しました。
プログラムの詳細
プログラムは4回の研修に分かれており、以下の内容が盛り込まれています。まず最初のセッションでは、「寄付の教室」を通じて自らの価値観を基に、社会とのつながりを楽しむ重要性を学びます。次に、日本の寄付文化やファンドレイジングの可能性について理解を深める内容が取り入れられました。
戦略的なファンドレイジングの基礎を学ぶことも重要です。これにより、資金調達の計画を立てるための土台を築くことができます。最后に、支援メニューの開発に向けた寄付メニュー設計も行われ、実際の資金調達活動に向けた知識を身につけました。
組織されたチームに分かれた生徒たちは、文化祭に向けて資金を調達する実践に挑んでいきます。日本ファンドレイジング協会から有資格のファンドレイザーがメンターとして各チームに寄り添い、具体的な資金調達戦略を立てられるよう支援しました。企業協賛や個人寄付の募集において、プレゼンテーションの方法やお礼の仕方などのアドバイスを受け、実践的な力を身につけることができました。
成果と生徒の声
成果として、各チームは寄付を集める過程での試行錯誤を乗り越え、最終的に目標を達成しました。このプロジェクトに参加した生徒たちは、単に資金を集めるだけではなく、寄付者の期待や背景を理解すること、共感を育むマネジメントの重要性を学びました。
生徒からは、「支援者の思いに寄り添うことが重要だと感じた」や「プレゼン前のフィードバックが役立った」との声が寄せられ、実体験を通じて得られた学びが非常に大きかったことが伺えます。さらに、ファンドレイジングはデジタルツールの普及によって身近なものになっているため、若い世代がそのスキルを身に付けることも容易になっています。
このプログラムは、ただの教育活動ではなく、学校と地域社会との架け橋を築き、未来に向けた新たなモデルケースとなることを目指しています。日本ファンドレイジング協会は、今後も高校生や大学生の主体的な活動をサポートし、次世代を担う人材を育成していくことを強く表明しています。