顔の形状による紫外線ダメージの個人差を可視化した革新技術

メナードの人工全顔皮膚モデルが実現する新たな紫外線ダメージの可視化

紫外線は、特に顔に対して重大な影響を及ぼします。シミやシワなど皮膚の老化の主因とされ、私たちはそのダメージを無視することはできません。そんな中、日本メナード化粧品株式会社が発表した「人工全顔皮膚モデル」は、顔の形状による紫外線ダメージの個人差を可視化する革新的な技術です。

独自の開発背景

メナードは、長年にわたり幹細胞研究を進め、その技術を活かした人工皮膚モデルの開発に成功しました。これまで存在する人工皮膚モデルは主に平坦なシート状であったため、実際の顔の立体感を考慮することは難しかったのです。しかし、メナードは個々の顔を立体的に再現したモデルを発表すると共に、このモデルを用いて紫外線ダメージを解析する試みを行いました。

人工全顔皮膚モデルとは

このモデルは、さまざまな顔の形を3Dスキャン技術で記録し、その情報をもとに立体的な皮膚を培養することで作られています。最近の実験では、日本の夏と冬の正午の紫外線を模した条件下でこのモデルにUVBを照射し、その結果を分析しました。興味深いことに、分析の結果、冬季条件では顔全体にわたって薄いダメージが確認された一方、夏季条件では額や頬に特に強いダメージが認められました。

紫外線ダメージの可視化と個人差

メナードは、さらに多くの顔の形をごとに紫外線ダメージを評価するため、複数人の顔を再現したモデルを用いました。これにより、同一の条件下でも顔の形状によってダメージの受け方に違いが生じることが証明されました。これは、従来の平坦なモデルでは不可能だった新たな成果であり、顔の立体的な形状を考慮に入れることで、より正確な評価が可能になったのです。

今後の展望

本研究成果に基づき、個々の顔に応じたスキンケアの重要性が再認識されます。今後は、この技術を応用してシミやシワといった皮膚老化のメカニズムを深入りし、よりパーソナルな化粧品や美容サービスの開発へと進めていく計画です。2025年10月9日には、国際学術誌「Journal of Dermatological Science」にもその成果が発表される予定です。これにより、美容業界における個性を持ったスキンケアがさらに進化することを期待しています。