アトラシアンがJira Service ManagementにAIエージェントを統合
アトラシアン株式会社(神奈川県横浜市)は、エンタープライズ向けサービスマネジメントツールであるJira Service ManagementにAIおよびAIエージェントとの新たな統合を行ったことを発表しました。この新しい統合は、55,000社以上のお客様が利用するITIL準拠のサービスマネジメントプラットフォームの進化を示しています。Jira Service Managementは、IT運用におけるインシデント管理、変更管理、業務のサービスデスク、ナレッジ管理を効率化し、ユーザー体験を向上させるための機能を提供しています。
AIによる迅速なインシデント解決
新たに追加されたAI機能では、Jira Service Managementが多くのアラートをAIがグループ化し、変更のリスクや過去の類似インシデント情報を表示します。また、推奨される担当者や優先度に関する情報も同時に提供され、IT運用の効率が飛躍的に向上します。この機能は、業務チャットツールのSlackやMicrosoft Teamsとも連携し、リアルタイムで情報を共有できる点が魅力です。
2024年に発表されたアトラシアンのAIチームメイト「Rovo」との統合により、インシデント対応の迅速化がさらに推進されます。インシデント発生中、Rovoエージェントは様々なサードパーティツールからの情報を表示し、担当者が根本原因を特定する手助けを行います。この過程では、Rovoにインシデントの詳細に関する質問をすることで、さらに深い理解を促進します。そして、Rovoは確認すべきアクションや自動化ワークフローの提案を行い、インシデント解決後には自動的に事後インシデントレビューレポートを生成します。
卓越したセルフサービスを実現
Jira Service Managementに搭載されたAIエージェントは、自然言語処理技術を活用することで、ユーザーに対して迅速かつ効果的なサポートを提供します。ユーザーはSlack、Microsoft Teams、電子メールなど、多様なチャネルからこのサービスにアクセスできるようになり、ナレッジの動的な翻訳も実現しています。これにより、地域や言語を超えたサポートが可能となり、ユーザーの満足度向上に貢献しています。
また、特に注目すべきはAIが生成した洞察を簡単に評価できる新ダッシュボードの導入です。このダッシュボードは、サービスチームが知識のギャップを特定し、必要な記事の作成を提案します。生成AIを用いることで、サービスチームは質の高いサポートを維持しつつ、新しい記事をスムーズに作成することができるのです。
人事業務にもAIを活用
人事部門もAIを駆使してサービス提供の効率を向上させています。当社の調査によると、すでに28%の人事部門がAIを活用しており、26%が今後の利用を検討しています。新たに搭載した人事サービス管理(HRSM)機能は、従業員からのリクエストを簡単に管理する助けとなります。たとえば、従業員がサービス領域を簡潔に説明するだけで、Jira Service Managementが自動で一致するリクエストタイプを生成します。
さらに、業務フローを簡素化するためのテンプレートも追加され、人事部門はすぐに業務を開始できます。また、WorkdayやOktaなどのサードパーティ製アプリケーションとの統合により、入社や退職に関連するリクエストを自動化し、時間の節約が実現しています。
アトラシアンのビジョン
アトラシアンは、協力を促進し生産性を向上させることを使命としており、その製品は数多くのフォーチュン500企業で採用されています。また、日本法人として、日本市場特有のニーズにも対応し、顧客へ独自の情報を提供しています。アトラシアンが手がける製品群には、プロジェクト管理のためのJiraやITサービスマネジメントのためのJira Service Management、情報共有のためのConfluenceなどがあり、今後も新たな取り組みが期待されます。