東京都の観光動向
2025-04-30 15:23:41

人流データで見える!東京都の観光動向とイベント分析結果

人流データで見える!東京都の観光動向とイベント分析結果



公益財団法人東京観光財団(以下「TCVB」)が東京都立大学との協力を通じて、人流データをもとにした観光動態分析レポート「おでかけウォッチャー」を公開しました。このレポートでは、都内の訪問者行動を詳細に分析し、特に2024年に開催されるイベントの影響を探る試みがされています。

レポートの目的と概要



TCVBは、国内在住者の都内訪問者動向を把握することを目的に、令和4年度から「おでかけウォッチャー」を導入しました。このツールでは、約1,900地点の観光スポットがモニタリングされ、訪問者の傾向を分析しています。本レポートは、都立大学・都市環境学部観光科学科の清水哲夫教授と協力し、データを基にした分析を一般に公開しています。

分析の視点



本レポートでは、さまざまな規模のイベントについて、その効果を測るために4つの分析視点が設定されています。これらは以下の通りです:
1. 日別来訪者数分布・ランキングによる分析
2. 来訪者の居住地からの距離帯による分析
3. イベントの周辺スポットへの波及効果の分析
4. イベントの時間帯別来訪者数ピークの分析

これらの視点から、都内で行われるイベントの特性を明らかにし、各イベントが「近隣集客型」か「中長距離集客型」かを判定しました。

各イベントの特性



分析対象となったのは、べったら市や麻布十番納涼祭、隅田川花火大会などのイベントです。近隣集客型は、地域の伝統的なイベントに多く見られ、地元の訪問者が主な参加者であることが示されました。一方で、全国規模で認知されたイベントは中長距離の来訪者を引き寄せる傾向がありました。

特定のイベントについても分析が行われ、それぞれ以下のような結論に至っています。

中央区:つきじ獅子祭(2024年6月)


祭り期間中に来訪者が大幅に増加し、ほとんどが40km未満からの訪問者です。このことから、地域密着型の祭りとして位置づけることができます。誘導施策を強化することが効果的です。

港区:泉岳寺義士祭(2024年12月)


祭り中日には来訪者数が急増し、遠方からの訪問者も目立つため、中長距離集客型と評価されます。周辺の影響は限定的ですが、駅利用が多いと見られます。

台東区:三社祭(2024年5月)


祭り日には浅草エリアで最高の来訪者数を記録。近距離来訪者が多く、周辺スポットへの波及効果も確認されました。

墨田区:墨堤さくらまつり(2024年3月~4月)


桜の開花時期に合わせて来訪者が増え、遠方からの観客も多いため、中長距離集客型といえます。

八王子市:高尾山若葉まつり(2024年4月~5月)


祭りによる来訪者の増加が見られる一方、高尾山自体が常に観光対象となるため、祭りが直接の要因とは言い難い部分もあります。

分析結果の活用



このレポートの成果を地域振興に活かすためには、観光の面からどのように地域イベントを活用できるのかが重要です。伝統的な祭りの集客特性を理解し、特に外部からの来訪者を促すための施策を計画することが考えられます。また、地域経済への波及効果を測るための方法についても議論を進める必要があります。

結論



清水教授は、データ分析を通じて得られた知見をもとに、来訪者数を評価することの重要性や、イベントの持つ可能性を見出すことに期待を寄せています。これまでの分析を参考にし、さらなる事例研究を進めることが望まれます。東京観光財団は、今後も観光振興に寄与するための活動を続けていく計画です。

お問い合わせ



本レポートに関する詳細は、東京観光財団の総務部までご連絡ください。

連絡先


公益財団法人東京観光財団 総務部総務課(企画調査) tel: 03-5579-2680 email: [email protected]



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公益財団法人東京観光財団
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東京都新宿区西新宿二丁目3番1号 新宿モノリス15階
電話番号
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