AIによる設計自動化
2025-10-15 11:00:01

EggAIと三菱化工機がAIによるプラント設計自動化システムを共同開発

EggAIと三菱化工機が手を組む背景


株式会社EggAI(CEO:中島柚斗)は、三菱化工機株式会社(代表者:田中 利一)と共同で、プラントエンジニアリング業界向けにAI技術を活用した設計図書自動生成システムの開発に着手しました。このシステムは、従来は人手に頼っていたプラント設計に必要な各種書類を自動で作成することを目的としています。今後の運用は2026年4月から予定されています。

市場の現状と変革の必要性


プラントエンジニアリング業界は、日本国内で約4兆円という大規模な市場を持ちながら、深刻な人材不足や技術継承の問題に直面しています。工場設計には、数多くの機器や配管が関わり、安全性と効率性を確保するために、詳細な設計図書が必須です。そのため、熟練技術者による手作業が長時間かかることが一般的です。

このような背景から、製造業界ではデジタル技術やAIを駆使した業務効率化が求められています。三菱化工機のプラント事業本部では、業務のやり方自体の変革が必要との認識が高まっており、生成AIを使った設計図書の自動作成がこの流れに合致し、共同開発が進められています。

開発するシステムの概要


本システムは、プラント設計図書作成プロセスをAIによって自動化し、担当者による修正・確認のみで済むレベルまで短時間で達成することを目指しています。その機能は以下の通りです。

1. 書類のAI読み取り機能
顧客の要求仕様書の内容をAIが自動で読み取り、必要な条件を迅速に把握します。
2. 設計図書の自動作成機能
各種設計仕様書や購入仕様書を、短時間で自動生成します。
3. 幅広い書類作成機能
契約仕様書や基本設計図書など、さまざまな種類の文書を自動で作成できます。

期待される業務改革の効果


このシステム導入によって、設計プロセスには以下のような劇的な変化がもたらされるでしょう。

- スピードアップ
これまで熟練技術者が2〜3週間かけて作成していた設計図書が、AIにより数時間から数日で完成させることができるようになります。
- 人材の有効活用
定型的な書類作成作業から熟練技術者を解放し、より付加価値の高い業務へ集中させることが可能になります。新人技術者の育成にも活用できるため、育成にかかる時間も短縮される見込みです。
- 品質の向上や標準化
AIによる一定の品質での書類作成は、担当者による品質バラツキを取り除き、常に安定した品質を提供します。これにより、顧客満足度の向上が見込まれます。
- 技術継承のデジタル化
熟練技術者の得た知識をAIがデジタルデータとして保存することで、退職による知識の喪失リスクを低減します。未来の技術者能力の向上も見込まれます。
- 経営への影響
設計業務の効率化が必要なコスト削減を実現し、技術者のリソースに余裕を持たせることで、受注案件の増加に繋がると考えられます。

両社の意気込み


EggAIの中島柚斗CEOは「プラントエンジニアリング業界は日本の産業競争力において重要な役割を担っている。三菱化工機との協業により業界のDX推進に貢献したい」と述べており、
三菱化工機の中島里樹本部長も「生成AIの活用を通じ、新たな設計自動化システムを目指し、業界全体のつながりを強化する」と意気込んでいます。

会社概要


\- 株式会社EggAI
東京大学で研究開発されたAIソリューションを提供するスタートアップ企業であり、顧客の問題解決に貢献することが目的です。

\- 三菱化工機株式会社
プラントエンジニアリングを軸に多角的に事業を展開している企業。2024年度の売上は592億円を見込んでいます。詳細は公式サイトを確認してください。


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会社情報

会社名
三菱化工機株式会社
住所
神奈川県川崎市川崎区大川町2番1号
電話番号

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