暑さから身を守るための住まいの工夫
近年、地球規模での気温上昇が進み、特に日本国内では「災害級の猛暑」が毎年の課題となっています。日本サッシ協会が発表した報告書より、自宅での熱中症対策としての窓リノベーションの必要性が浮き彫りになりました。
1. 近年の猛暑傾向
2024年の平均気温は15.10℃に達し、1850年以降で最も高温な年となる見込みです。特に日本での熱中症警戒アラート発表回数も年々増加しており、2024年度には過去最多の1,722回に達しました。これにより、残暑の長期化が続いているのも明らかです。
2. 自宅における熱中症リスク
日本において、熱中症による救急搬送患者数は年々増加しています。特に家庭内での発生が約4割を占めており、安心すべき自宅での熱中症リスクが高いことが問題視されています。これは、特に窓からの熱の流入が大きな要因であると言えます。
3. 窓リノベーションの重要性
国の調査によれば、既存住宅の約8割が現在の断熱基準を満たしていないことが分かっています。つまり、これらの住宅では夏場に外部から入る熱が非常に大きくなり、特に窓から入る熱量は全体の73%にも昇ります。このため、窓をリノベーションすることで、暑さ対策が効果を発揮すると専門家は指摘しています。
4. 光熱費の削減効果
高断熱窓(樹脂サッシ+Low-Eトリプルガラス)に改修した場合、従来のアルミサッシ+単板ガラスの窓よりも熱貫流率(UW値)が約7倍も異なるため、光熱費の削減が期待できます。例えば、関東から九州地域で戸建住宅の窓を全て高断熱窓に交換した場合、年間約2万円の光熱費削減が見込まれています。全国的には年間約6,800億円の冷暖房費が削減される計算です。
5. 補助金制度の活用
窓の断熱改修には、外窓の性能向上や内窓の追加が必要ですが、環境省の「先進的窓リノベ2025事業」の活用により、窓改修工事費の約半額の補助を受けることが可能です。これにより、経済的な負担を軽減しつつ、高断熱窓の導入を促進できます。
6. まとめ
このように、自宅の熱中症対策として窓リノベーションは非常に重要であり、今後の住環境を快適に保つためには欠かせない対策と言えるでしょう。日本サッシ協会は、住まいの健康を守るための情報を今後も発信していく予定です。興味がある方は、是非日本サッシ協会のウェブサイトをご覧ください。