飛騨市の減塩推進が最優秀賞に輝く
岐阜県飛騨市が、厚生労働省主催の「第13回健康寿命をのばそう!アワード」で、生活習慣病予防分野において最優秀賞を受賞しました。この賞は健康増進や生活習慣病予防に寄与する取り組みを評価するものであり、飛騨市の努力が認められた結果です。
受賞の背景
飛騨市は、岐阜県の北端に位置し、寒冷な気候に恵まれた地域です。このため、長年にわたり塩蔵文化が根付いており、健康への影響が懸念されていました。実際、飛騨市の特定健診の結果では、Ⅱ度以上の高血圧者の割合が県内で最も高く、これは市の大きな課題とされていました。
減塩の取り組み
2019年に始まった「今日も「まめなかな!」減塩食品・料理の普及活動は、地元企業と協力しながら減塩を推進することを目的としています。この活動では、中華そばの減塩版開発を行い、飛騨市のソウルフードとして減塩への関心を高めてきました。さらに、食環境の整備を通じて、減塩志向の商品の導入を進めています。
具体的な成果
飛騨市の取り組みの成果は、具体的な数値で示されています。特定健診のデータによると、2018年のⅡ度以上の高血圧者の割合は9.2%でしたが、2022年には4.3%にまで減少しました。この間、特定健診受診者における高血圧の有病率も大幅に低下しています。
市民の健康促進に向けて
青果店や薬局、飲食店との連携により、地元住民への啓発活動も行われており、地域全体での健康意識の向上に寄与しています。特に、中華そばの減塩版は多くのラーメン店に取り入れられ、地域住民にも広がりを見せています。
今後の展望
今後も飛騨市では、減塩食品が容易に入手でき続ける環境を整え、さらなるメニュー開発を進めていく方針です。この取り組みは、単なる減塩にとどまらず、より健康的な食文化の創造を目指しています。飛騨市としての取組が他の地域にも波及し、全国的な健康意識の向上に繋がることを期待しています。
市保健センターからは、今後の健康づくりに向けた意気込みが表明されており、市民一人ひとりの健康維持に貢献する取り組みが継続されるでしょう。市役所の連絡先も公開されており、今後も多くの市民が参加できるイベントを通じて、健康に対する意識向上が図られています。
飛騨市のこれからの取り組みにも期待が高まる中、健康寿命を延伸するためのモデルケースとして、全国にその成功事例を広めていくことが求められています。