サウジアラビアで開催された「ジャパン・カルチャー・デイズ」
2025年1月23日から2月8日までの約17日間、サウジアラビアのダーランに位置するアブドゥルアジーズ王世界文化センター(Ithra)では、日本の伝統文化を体験できる特別なイベント「ジャパン・カルチャー・デイズ」が開催されました。このイベントは、38万人以上の来場者を迎え、日本とサウジアラビアの国交樹立70周年を祝う意味でも特別なものとなりました。
サウジアラビアでは日本のアニメや現代的なカルチャーが人気を誇っていますが、今回のカルチャー・デイズは、長い歴史を持つ日本の伝統文化への関心の高さを示すものでした。日本の文化を多角的に体験できる数々のプログラムが用意され、伝統文化に関する展示や日本料理、工芸実演、生花、書道のワークショップが実施されました。
中でも駐サウジアラビア日本国大使の森野泰成氏が現地を訪れ、展示を楽しみつつアーティストたちと交流する姿は、両国の文化的結びつきがいかに重要かを再認識させるものでした。
Ithraの取り組み
Ithraは、異国の文化を紹介するためにインタラクティブな体験を提供し、様々な世代や背景を持つ人々が参加できる場を提供しています。2020年から始まった「カルチャー・デイズ」シリーズは、進化を遂げながら毎回高い評価を得ており、今回もその例外ではありません。過去にはベトナム文化やエジプト文化が紹介され、今年は日本の伝統文化に焦点を当てました。
目を引くプログラム内容
特に注目だったのが、和太鼓演奏グループ「DRUM TAO」によるサウジアラビア初公演です。伝統的な和太鼓に加えて、篠笛や琴を取り入れたパフォーマンスは、日本の文化の深さと魅力を余すところなく伝え、会場は観客の熱気に包まれました。
また、「きもの展」では日本の着物文化と職人技が紹介され、アンティークから現代的なデザインまでが展示されました。これにより着物が過去と未来を繋ぐ文化交流のツールであることが強調されました。
さらに、「日本車展」では、日本の自動車技術とデザインの魅力が示され、クラシックカーから最新のコンセプトカーが集まり来場者に驚きを与えました。
文化交流の重要性
これらのイベントを通じて、Ithraは文化交流がもたらす力を信じ、コミュニティの相互理解を深める取り組みを続けています。ノウラ・アルザミル氏は「文化交流は時間をかけて相互理解を深める」と語り、今回のイベントがその理念を体現していると述べています。
多彩なプログラムも充実
その他のプログラムでは、仮想空間で東京旅行を楽しむメタバース体験や、伝統的な日本の屋台を楽しむバザー、さらには日本映画7作品の特別上映も行われました。中でも、スタジオジブリの最新アニメ『君たちはどう生きるか』や、『ハウルの動く城』の上映後には、特別なQ&Aセッションが開催され、参加者の関心を引きました。
また、15のワークショップでは書道や寿司作り、生け花などが実施され、参加者は実際に手を動かしながら日本文化を体験しました。特に、「サウジアラビアの視点から見る日本文化」と題したトークセッションも行われ、多くの人々が新たな視点を得る機会となりました。
「ジャパン・カルチャー・デイズ」は、単なる文化の紹介にとどまらず、サウジアラビアと日本の人々の間に深い理解と尊重を育む場となったことは間違いありません。今後もこのような国際交流のイベントを期待しつつ、Ithraが引き続き文化交流の架け橋としての役割を果たし続けることを願っています。