車の寄付で社会をつなぐ「クルマ寄付パートナー」が誕生
一般社団法人日本カーシェアリング協会が2025年7月15日に発表した「クルマ寄付パートナー」は、困っている人々に車を届ける仕組みです。このプロジェクトは、東日本大震災をきっかけに設立されたもので、これまでに約600台の車を使った支援を行っています。特に災害時の無償レンタカーや、生活困窮者向けの低額カーリース、地域コミュニティの支援などに役立つ活動を展開してきました。
制度創設の背景
日本では、災害によって車を失う人々や、生活が困難で移動手段がない地域の方々が多く存在しています。しかし、支援に必要な車両が不足している状況が続いています。これを受けて、「支援が必要な全ての方へクルマを届ける」ことを目指し、企業や団体に寄付を促す「クルマ寄付パートナー」が設立されました。
クルマ寄付パートナーの仕組み
このパートナーシップでは、企業や団体が自社の車両を寄付する選択肢を用意しています。例えば、営業車を入れ替える際に旧車両を寄付したり、一定数の車を社会貢献として寄付することが可能です。参加することで、支援のための車両が集まり、社会に貢献する仕組みが構築されます。
パートナーの種類と特典
この取り組みには、3つのパートナーシップの種類があり、それぞれ特典があります。
1.
リーディングパートナー:累計10台以上車両を寄付。(特典あり)
2.
アクティブパートナー:1台以上を寄付。(特典あり)
3.
イイネ!パートナー:寄付経験がなくても賛同のみでも参加可能。
各パートナーの特典には、協会のウェブサイトに名前を掲載することや認定ピンバッジ、認定証などが用意されています。
車の寄付の形
車の寄付には2種類の方法があります。ひとつは「活用寄付」で、災害支援や高齢者移動支援に活用されます。もうひとつが「リサイクル寄付」で、活用が難しい車を資源として再利用し、得られた資金が支援活動に用いられます。
参加企業の声
記者会見には、提携した25社のうち8社がオンラインで参加し、活動に対する期待が高まっています。株式会社エーモンの堀専務は、「車の寄付を通して社会に貢献していきたい」と強調し、株式会社オートバックスセブンの前川さんも「平時からの取り組みが地域を支える」と述べました。
今後の展望
「クルマ寄付パートナー」は、2026年3月までに100社のパートナーを登録し、個人向けのプログラム展開も予定しています。様々な立場の人々が協力し合い、支援の輪を広げていくことが期待されています。
この取り組みは、石巻市が発信点となり、車を通じて支援が必要な人々に物理的な移動の手段を提供するだけでなく、温かいコミュニティを意識させてくれる素晴らしい活動です。