エレコムがコンゴ民主共和国に寄贈した血圧計
2025年6月19日、エレコム株式会社が沖縄県の株式会社SOIKを通じて、コンゴ民主共和国に妊産婦の健康管理を支援するための血圧計30台を寄贈しました。これは、妊産婦や新生児の健康を守るために不可欠な取り組みです。
妊産婦の健康課題
コンゴ民主共和国では、妊産婦の死亡率が非常に高く、特に農村部では日本の100倍以上に達するといわれています。妊産婦の多くは都市部から離れた地域に住んでおり、医療機関や医療従事者の不足によって、必要な産前健康診断が受けられず、命の危険にさらされています。
妊娠中に発生する可能性のある「妊娠高血圧症候群」は、非常に危険な合併症であり、高血圧を伴うことから母子の命を守るための適切な管理が求められます。しかしコンゴの農村部では、適切な医療サービスが提供されないため、多くの妊婦のリスクが見過ごされています。
血圧計寄贈の意義
エレコムのヘルスケア事業部が掲げるビジョンは、「届いていないところに届ける」というもので、世界中の妊産婦が安心して妊娠・出産に臨める環境を整えることを目指しています。この寄贈は、株式会社SOIKと協力し、デジタル技術を用いて医療アクセスを向上させる活動の一環です。
SOIKは、デジタルヘルススタートアップとして、医療が届きにくい地域への新しいソリューションを提供しています。特に、スマートフォンを使った健診ソフトウェア「SPAQ」を開発し、これによって母子の健康状態を定期的にチェックできる仕組みを整えています。
血圧計の特長と研修
今回寄贈された一体型血圧計は、コンパクトでチューブ不要な設計になっており、医療インフラが整っていない地域でも簡単に使用することができます。この血圧計は、SOIKの「SPAQ」ソフトウェアと連携することで、効率的な産前健診が可能になります。
寄贈に先立ち、エレコムは現地の村のボランティアに対して血圧計の使用方法研修を実施しました。これにより、地域の医療従事者が血圧計を正しく活用できるスキルを身につけることができ、今後の医療活動がより充実したものになることが期待されています。
現地からの声
株式会社SOIKの代表取締役、古田国之氏は、「アフリカ全ての母子に質の高い医療を届ける」というビジョンのもと、血圧計の寄贈が新たな医療アクセスの実現に向けた重要な一歩であると述べています。
また、エレコムのヘルスケア事業部執行役員であり医師の葉田甲太氏も、妊娠高血圧症候群の早期発見が母子の命を救うためには不可欠だと語り、今回の寄贈によって多くの命が守られることを願っています。
今後の展望
今後、地域での血圧計の活用が広がっていくことにより、妊産婦の健康状態が改善され、一人でも多くの命が救われることを目指します。エレコムは、持続可能な支援活動を通じて、より良い未来の実現に寄与していく所存です。この取り組みに関心を持ち、他の企業や団体とも連携を深めていくことが重要です。更なる医療プロジェクトの拡充に期待が寄せられています。