資生堂が育んできた美の研究と最先端AIの融合
資生堂は、100年以上に毎年多くの知見と技術を積み重ねてきた研究開発の力と、先進的なAI技術を組み合わせることで、化粧品開発における新しいスタンダードを確立していくことを目指します。この新たな試みにより、人々の経験則にとどまらず、AIとの共同作業から生まれる革新的な価値創造を行い、次の時代の美容ソリューションを展開することが可能になります。
資生堂は、アクセンチュア株式会社と共に開発した独自のアルゴリズムを用いたAI機能を「VOYAGER」と名付け、そのデジタルプラットフォームにて利用します。このシステムは2024年の2月に本格的に始動する予定です。
R&D理念とDYNAMIC HARMONY
資生堂の独自の研究開発理念「DYNAMIC HARMONY」に基づき、50万を超える研究知見を精緻なデータベースとして整備し、このデータと先進AIを融合させます。これにより、混沌とした化粧品業界において複雑に変化するニーズにフィットした、迅速かつ効果的な開発が可能となります。
VOYAGERの特長について
「VOYAGER」に組み込まれた処方開発AI機能は、原料から得られる情報、処方データ、容器設計に至るまで、製品開発に必要な全データを網羅しています。これにより、成分やその組み合わせ、安定性などをAI技術を通じて解析し、より効率的に高精度の化粧品開発を可能にします。
AIによるイノベーション事例
実際に、処方開発AIの活用により、「クレンジング製剤技術」と「スキンケア処方技術」を組み合わせ、新しい試作が誕生しました。従来のクレンジング製剤では難しかった濃密さとすっきり感を両立する洗浄剤の試作が成功したのです。この成果は、異なる知見を融合させることで実現したものであり、資生堂の研究開発力を示しています。
今後は、より多様化する消費者ニーズや持続可能性といった課題にも取り組みながら、AIを活用した革新を進めていくとのことです。その目指す先には、2030年における「Personal Beauty Wellness Company」の実現が掲げられています。
この新たなプラットフォームとAI技術の結びつきは、美容の未来に期待を持たせるものであり、今後の展望に多くの人々が注目しています。資生堂は自身の強い理念に基づき、さらなる革新を追求し続けていくことでしょう。