三菱総研で実施されたバーチャル避難訓練が注目を集める理由とは

最近、株式会社ジオクリエイツと株式会社三菱総合研究所が共同で実施した「バーチャル避難訓練」が話題です。この新しい形の避難訓練は、リモートで行えるサービスとして、昨今の防災意識の高まりの中で注目を集めています。

この訓練は、2024年11月に三菱総研の本社で行われました。三菱総研は社会課題を解決することを目指し、様々な領域でのコンサルティングやITサービスを提供しています。その最新の取り組みとして、このバーチャル避難訓練が位置付けられています。

参加した人々は、「避難経路の確認ができた」、「建物の構造が理解できた」といった感想を寄せており、実際の避難訓練よりも効果的であるとの評価がなされています。このサービスはインターネット接続があれば、パソコンやタブレット、スマートフォン等で多数の参加者が同時に参加できることが特徴です。

また、このバーチャル避難訓練は年に1回や数回の実施に留まらず、参加者のデータ記録や解析も行えるため、数百人が参加した際にはそのデータを元にゴースト参加も可能です。つまり、後日、一人でそのデータをもとに避難訓練を行うこともできるのです。

さらに視線や動線の分析機能を持つVR用SaaSの「ToPolog」との連携によって、訓練後の改善施策を検討することができます。このように、ただの避難訓練にとどまらず、建物の運用や設計にも活用できる可能性が広がっています。

三菱総研は、この訓練の実施を契機に、ICF（Future Co-creation Initiative）を通じてバーチャル避難訓練の具体的な操作画面を紹介し、さらなる普及を目指しています。このプロジェクトは東京都が推進する「Be Smart Tokyo」にも繋がっており、先端技術を活用した便利で快適な都市づくりの一環として位置付けられています。

このような取り組みは、私たちの生活をより安全なものにする重要な一歩となるでしょう。ジオクリエイツと三菱総研の協業を通じて、今後も多くの企業がこのような新しい防災教育の形を取り入れていくことが期待されます。