OKIが半導体オブ・ザ・イヤー2025で優秀賞を受賞
沖電気工業株式会社、通称OKIが2025年6月4日、東京ビッグサイトで行われた「半導体・オブ・ザ・イヤー2025」において、日清紡マイクロデバイス株式会社と共に開発した「薄膜アナログICの3次元集積」が、半導体デバイス部門の優秀賞を受賞しました。この受賞は、OKIにとって初めての栄誉です。
表彰制度「半導体・オブ・ザ・イヤー」とは
この賞は、電子デバイス産業新聞を発行する産業タイムズ社が主催するもので、エレクトロニクス業界で最も権威のある表彰制度の一つです。受賞者の選定は、技術の革新性、量産体制、社会的インパクト、将来性など複数の観点から行われ、業界内外の専門家による厳しい審査を経て決定されます。
優秀賞を受賞した技術
今回受賞した「薄膜アナログICの3次元集積」は、OKIの独自技術であるCFB©(Crystal Film Bonding)技術と日清紡のアナログIC技術を組み合わせたものです。この技術により、アナログICの機能を保ちながら、高度な積層技術を用いて小型化が実現されました。これにより、従来のアナログICよりも性能向上が期待されます。
OKIの執行役員である加藤氏は、「このたび受賞できたことは、大変光栄です。これは、関係者の皆様からの支援と、現場で努力している社員の頑張りによるものです。私たちは、OKIの総合力を生かし、CFB事業をさらに進展させていきます」と述べました。
日本の半導体産業復権に向けて
今回の受賞は、両社が共同で取り組む日本の半導体産業の復権に向けた希望の象徴でもあります。先駆者としての役割を果たすことを目指し、OKIは半導体イノベーション事業を通じて、新生OKIの成長を目指していく方針です。
今後は、日清紡マイクロデバイスとのさらなる共創を進め、製品の早期量産化と社会への貢献を実現していくことを目指しています。
CFB技術について
CFB技術は、半導体基板から機能層のみを剥離して形成された半導体薄膜素材を、異なる材料の基板に接合する技術です。この接合プロセスは常温下で行われ、接着剤を使わずに材料間の分子間力を利用します。これにより、半導体デバイスの付加価値向上が期待されており、CFBソリューションとして広がりを見せています。
まとめ
OKIの受賞は、半導体技術における大きな進展の証であり、日本の半導体産業に明るい未来をもたらすものです。新たなイノベーションを生み出すOKIに今後も注目が集まることでしょう。