2023年11月18日、ノンフィクションライターの石戸諭が新たに刊行する新書『「嫌われ者」の正体―日本のトリックスター―』が話題です。これは、現代日本における“渦中の人たち”に焦点を当て、彼らの存在とその影響を解き明かす試みです。
著者は、玉川徹や西野亮廣、ガーシー、吉村洋文、山本太郎など、多様な背景を持つ人物たちを深く掘り下げます。彼らはいずれも過激な言動でメディアの注目を浴び、社会現象を起こしてきました。その一方で、支持者と反対者を生み出し、ネットでの議論を巻き起こしています。しかし、なぜ彼らに人々は惹きつけられるのでしょうか?
本書では、著者がこれらのトリックスターについて、丹念な取材を行った内容が報告されます。石戸氏は、彼らがどのように社会と関わっているのか、またその目的についても鋭い視点から分析しています。例えば、玉川徹は権力批判を通じて社会に問いかけ、西野亮廣は否定と承認を絶えず行うことで自身の立ち位置を模索してきました。
特に注目すべきは、旧統一教会の2世信者への取材です。彼らの姿はメディアに描かれる「洗脳された被害者像」とは異なり、意外な特徴や政治家との実態を明らかにします。この視点から、日本社会がどのようにメディアによって形成されているのかを考察することができるのです。
本書を通じて、熱狂や炎上の中心にいる人物たちの真実に迫ると同時に、彼らを取り巻く支持者やアンチ達がどのような心理を持ち、どのように社会に影響を与えているのかを分析します。著者は日本社会の二分化や、メディアの不健全さについても言及し、現代の議論形式に対する疑問を投げかけます。
このように、石戸諭の『「嫌われ者」の正体』は、単なる人物ルポにとどまらず、現代社会の問題やメディアの役割を考える重要な一冊です。分断が進む中、思慮深い議論を促すこの書籍は、考えを深めたい方々にとって一読の価値があります。是非この機会に手に取ってみてください。
書籍情報
- - タイトル: 「嫌われ者」の正体―日本のトリックスター―
- - 著者: 石戸諭
- - 発売日: 2024年11月18日(月)
- - 価格: 1,056円(税込)
- - ISBN: 978-4-10-611065-8
- - 出版社: 新潮社
- - 詳細URL: 書籍詳細ページ