企業の産業医サービス導入、価格重視が引き起こす運用の課題と実態

近年、企業における健康経営の推進が重要視されています。その中でも産業医サービスの導入が広まりを見せているものの、実際の運用段階において様々な課題が浮上していることがわかりました。株式会社Mediplatが発表した調査によると、産業医サービスの選定時に価格を重視した企業の多くが、導入後に運用のミスマッチや追加コストに苦しんでいるという実態が明らかになっています。

調査の背景

今回の調査は、東京都中央区に本社を置く株式会社Mediplatが実施。産業医サービスに関与する企業の担当者112名を対象に行われ、産業医サービスの導入時に重点を置くポイントや運用の実態について詳しく分析しました。

価格重視の現状

調査結果によると、92.8%の担当者が産業医サービス導入時に「価格の安さ」を重視したと回答しており、その内訳は「非常に重視した」が60.7%、「やや重視した」が32.1%となっています。つまり、企業は初期投資を抑えつつ、コストパフォーマンスを意識してサービスを選定していることがわかります。

しかし、このような価格重視の選定は、導入後に「運用サポートの不足」や「非効率による追加コストが発生」といった問題を引き起こしています。例えば、サポート体制を十分に考慮したと答えたのは96.4%ですが、その内訳は「十分に考慮した」が50.9%に対し、「やや考慮した」が45.5%であることから、運用の際のサポートが不十分であると感じている企業が多いと言えます。

アナログ管理と業務効率

さらに、40.2%の企業が産業医との関わりにおいて対面によるコミュニケーションを主としており、資料管理はExcelや紙に頼っているという実態もありました。アナログ管理の影響を受け、「業務効率に悪影響を与えている」と感じる担当者は93.3%にのぼり、その中でも特に「産業医との連絡や情報連携」が66.7%を占めています。

運用支援と専門ノウハウの必要性

産業医サービス導入後には、非効率や運用支援の不足から「追加コスト（時間・費用）が発生している」と感じる企業も約90%に達し、運用サポートに不満を抱く割合も高く、24.1%の企業が「かなり不満がある」と回答しています。これにより、約90%以上の企業が産業保健業務を効率化するための「健康管理システム」の導入だけでなく、実際の運用支援やノウハウ提供を求めていることも示唆されています。

重要な観点

さらに、産業医選定時には、「専門知識・経験」と「職場改善提案力」が特に重要なポイントとして浮上しました。このデータからも、単なる経費削減を意識するだけではなく、長期的な運用支援の視点が不可欠であることが分かります。

まとめ

今回の調査結果は、企業が産業医サービスを選定する際には、導入時のコストだけでなく、その後の運用支援の必要性を重視するべきであることを示唆しています。特に初めて産業医を選任する企業にとっては、価格だけでなく、「システムによる効率化」、「専門家による運用支援体制」、「産業医の質」を見極めることが、将来的なトラブルや追加コストの削減につながるでしょう。

考察

産業医サービス導入において多くの企業が価格を重視する中で、その後の運用で直面する課題が浮かび上がっています。Mediplatはこのニーズに応え、導入後もサポート体制を強化したサービスを提供しており、企業の健康管理の質を向上させる役割を担っています。長期的視点でのサービス選定が、企業にとって真の成果をもたらすことが期待されます。