INOMERと東京科学大学の新たな取り組み
株式会社INOMER(イノマー)は、東京科学大学(旧・東京工業大学)と協力して、AIを駆使した歩行リハビリテーションを支援する着用型ロボットの開発を進めることを発表しました。このプロジェクトは、中小企業庁の「令和6年度 成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)」に採択されており、今後の医療現場における革新が期待されます。
プロジェクトの主な目的とは?
この共同開発の最大の目的は、片まひ患者向けのリハビリテーションを支援するための介助ロボットをインテリジェント化することです。具体的には、リハビリテーションにおいて理学療法士が実際に行う介助技術をAIに学習させ、そのデータをロボットに組み込むことで、患者に最適なサポートが可能となります。これにより、ロボットが自動で圧力やタイミングを調整し、患者の状況に応じた協調動作が実現します。
研究と実用化のための連携
このプロジェクトでは、東京科学大学 工学院 機械系の小竹(しの)元基教授が、最新の技術と知見をもって研究を進めます。医学的な側面からは、東京大学医学部附属病院の住谷昌彦准教授が専門的なアドバイスを提供し、リハビリテーションの実践的な視点からは、京都大原記念病院が助言を行います。これにより、研究の実用化が進み、効果的なリハビリテーションの実現を目指します。
期待される成果
この着るロボットの導入が進めば、片まひ患者のリハビリテーションの効率化が期待されます。特に、理学療法士の負担を軽減し、患者に対する支援の質を飛躍的に向上させることが可能になります。また、リハビリ現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進むことで、より多くの患者が恩恵を受けることができるでしょう。
INOMERのビジョン
INOMERは、着るロボットによる「力と技のアシスト」をコンセプトに、人々の身体能力を補完・拡張することを目指しています。株式会社INOMERの代表取締役である桂典史(かつら のりふみ)氏は、「すべての人が望むパフォーマンスを発揮できるような世界を実現したい」と述べ、その実現に向けた情熱を表明しています。2024年4月に設立された新しい企業として、今後の成長に大いに期待されています。
まとめ
この新しいプロジェクトは、ロボット技術の進化と医療現場の結びつきを深め、患者に対してより良い支援を提供することで、リハビリテーションの未来を切り開く可能性を秘めています。INOMERと東京科学大学が手掛ける着るロボットの開発が、どのように社会に影響を与えていくのか、今後の動向に注目が集まります。