YKK APが発表した2025年環境報告書の内容と成果
YKK AP株式会社が「YKK AP環境報告書 2025」を発行しました。この報告書は、同社が展開する「第6次中期環境事業計画」の最終年にあたる2024年度の環境活動についての取り組みや成果をまとめたものです。環境経営方針として掲げる「気候変動」「資源循環」「水保全」「生物多様性」に焦点を当て、具体的な目標と達成状況が明記されています。
2024年度の主な環境活動の成果
2024年度の取り組みでは、CO2排出量の削減や水使用量の削減に成功し、前年対比で高い成果を上げました。特に
- - 自社CO2排出量を2013年度比で37%削減
- - 水使用量も同じく35%削減
これらは、YKK APとして環境負荷の低減に大きく寄与しています。
気候変動への取り組み
YKK APは高断熱窓の普及に努め、使用時によるCO2削減貢献量を2020年度比175%に達成しました。高断熱窓はアルミ窓よりも熱の出入りを抑え、空調によるエネルギー消費を減少させるため、住宅モデルにおいても効果を上げています。さらに、2024年には新しくトリプルガラス木製窓「APW 651」の販売も始める予定です。
また、再生可能エネルギーにも注力しており、2024年度内に9拠点で太陽光と風力発電を強化し、年間のCO2削減量を7,200トンに達成する見込みです。YKK APは今後、カーボンニュートラルを目指し、さらなる環境配慮型商品の開発を続ける方針です。
資源循環に関する進展
リサイクルと廃棄物管理においても優れた成果を挙げています。国内製造拠点では廃棄物のリサイクル率が100%を維持し、20年間連続で廃棄物ゼロエミッションを達成しました。さらに、再生可能なアルミと樹脂を使用することで、資源循環に貢献しています。アルミのリサイクル使用比率は2024年度に56%を達成する見込みです。
水保全と生物多様性の活用
水使用量に関しても、工業用水の効率的な使用や多段利用を通じて、使用量を大幅に削減しました。その結果、2024年8月には「水循環企業登録・認証制度」にて“水循環ACTIVE企業”として認証を受けました。この制度は水循環に貢献する企業を対象としており、YKK APの取り組みが高く評価された結果です。また、生物多様性への関与として地域での植樹活動にも取り組んでいます。
将来に向けたビジョン
YKK APは2050年までに「事業活動を通じて環境負荷ゼロ」を実現することを目指し、2030年に向けた具体的な目標を策定しています。今後の進展としては、高断熱窓の製品ラインアップや再生可能エネルギーの導入強化を継続し、持続可能な社会の構築に向けた取り組みを加速させる予定です。
YKK APの環境への取り組みは、今後もその技術力を生かしながら、顧客や地域社会のニーズに応え続けることで、さらなる革新を追求していくことでしょう。詳細な情報は公式ウェブサイトの「環境報告書 2025」セクションに掲載されているので、ぜひご確認ください。