新しい「源氏絵」と浮世絵の魅力
古典文学の象徴とも言える『源氏物語』。平安時代に紫式部によって書かれたこの物語は、貴族社会の華やかさと無常を描いた最古の長編小説として、日本人の心に長く根付いてきました。その美しい物語の世界は、過去400年以上にわたり、数多くの絵師たちによって源氏絵として表現されてきました。特に浮世絵師たちによる源氏絵は、公家文化の雅みと庶民文化の粋が見事に織り交ぜられており、今なお評価されています。
そんな浮世絵の豊かな伝統を受け継ぐ株式会社版三が、現代の感性を活かした新たな「源氏絵」と浮世絵の作品を発表しました。その名も「現代の源氏絵と浮世絵」プロジェクトです。このプロジェクトには、独自の画風を持つ5人の絵師が参加し、それぞれが2点ずつの作品を制作。その全10作品が、2024年2月17日からオンラインショップ『浮世絵工房』での販売がスタートします。
「現代の源氏絵と浮世絵」展の背景
この企画は、越前市で開催される展覧会『源氏絵と浮世絵』に合わせて実施されます。この地域は紫式部のゆかりの地としても知られ、浮世絵制作に使われる越前和紙の産地です。展覧会の開催に先立ち、現代の絵師たちが源氏物語の世界をどのように描くのか、大きな期待が寄せられています。各絵師の独自の視点と技法によって描かれる人々の姿や情景は、古典と現代の見事な融合アートの形を生み出しています。
参加絵師と作品紹介
1.
出雲の作品「光源氏 肖像画」と「紫の上 肖像画」。彼の独自の視点でテクスチャーと線の美を持ち寄ったデザインが印象的です。
2.
江幡喜之が手がける「今昔絵源氏物語・創」と「今昔絵源氏物語・造」。おなじみの浮世絵を引き継ぎながらも、未来への展望を見せています。
3.
塩崎顕の「MABOROSI」と「不二越の龍」は、日本の伝統技術と現代的な感覚の調和が感じられます。
4.
猫星光の「小説の君へ」と「My Way」も彼自身の体験と記憶を反映した内容で、力強いメッセージを持っています。
5. 最後に、
山崎杉夫が描く「令和夕顔」と「月夜」。彼の表現スタイルは、現代アートの感覚と日本の伝統がうまく結びついています。
販売と展示
各作品は、販売価格は22,000円(税込)で、各絵師の作品は限定100部を予定しています。すべての作品が、越前和紙を使用して真摯に制作されており、技法はジークレー版画を採用。これにより、細部まで丁寧に再現された美しい浮世絵の世界が楽しめます。
伝統を守りつつも進化を続ける株式会社版三。彼らの新しい試みを通じて、現代の視点から『源氏物語』の魅力を再発見し、浮世絵の素晴らしさを感じてみませんか。この機会にぜひ、オンラインショップ『浮世絵工房』を訪れ、魅力的な作品を手に入れてください。
株式会社版三について
株式会社版三は、浮世絵に関する様々なオリジナル作品をプロデュースし、伝統工芸技術を大切にしながら新たな挑戦を続けています。過去と未来を結ぶ作品たちは、多くのアートファンに愛されているのです。