冬の大型車両安全運転をサポートするキャンペーンを実施

冬用タイヤ交換時の安全対策

国土交通省は、冬用タイヤへの交換が行われる時期に発生する事故を防ぐため、「大型車の車輪脱落事故防止キャンペーン」を令和6年10月から開始します。このキャンペーンでは、大型車両のタイヤ脱着作業における適切な作業を普及・啓発し、事故を未然に防ぐことを目的としています。

背景

近年、大型トラックなどの冬用タイヤ交換に際して、車輪の脱落が増加する傾向があります。この問題は、特に寒さが厳しい時期や積雪が予想される際に、急いでタイヤ交換を行うことによって生じやすくなります。令和4年には、タイヤ脱着作業にかかわる不適切な作業がいくつか確認され、それが事故の原因になっていることが明らかになりました。

国土交通省が設置した「大型車の車輪脱落事故防止対策に係る調査・分析検討会」では、事例を調査し、問題点を洗い出しました。その結果、タイヤの取り付けにおいて、ワッシャやナットのチェックが不十分であることや、さらには適切な潤滑剤の使用がされていないことが指摘されました。これが、車両事故の原因となっているのです。

キャンペーンの内容

今回のキャンペーンでは、以下の主な取組が行われます：
1. タイヤ脱着作業の正しい方法の普及
大型車両の運転手や整備士を対象に、適切なタイヤ脱着作業の重要性についての啓発活動を行います。
2. 作業の平準化の推進
冬用タイヤ交換作業が集中すると、作業ミスが多発しやすくなります。そのため、タイヤ交換の時期を平準化し、余裕を持った作業ができるようにします。これにより、急いで作業を行うことによる事故リスクを減らすことが期待されます。
3. 事故防止対策の製品開発
タイヤ脱着作業時の人為的ミスを低減するためのハード対策の推進が提言され、近年開発された事故防止対策品を実証調査の形で広めていく予定です。これにより、運転手の負担を軽減しつつ、安全性を高めるという二重の効果が期待されています。