「Women to Watch 2027」とは
2027年4月、ワシントンD.C.で開催予定の「Women to Watch」は、女性アーティストに焦点を当てた国際的な展覧会です。この展覧会は、National Museum of Women in the Arts(NMWA)が主催し、世界中の女性アーティストの作品を可視化することを目的としています。
今回の展覧会は、NMWAの開館40周年を記念し、「A Book Arts Revolution」をテーマにしています。NMWAは、展覧会を2~3年ごとに開催しており、各国・地域から選出されたアーティストたちの作品を披露しています。
日本からの候補作家
今年、日本委員会は次回の展覧会に向けて、日本の女性アーティスト5名を選考しました。これらの作家は、NMWAコンサルティング・キュレーターである神谷幸江氏のプロセスを経て選ばれました。選ばれたアーティストたちは以下の通りです。
- - 入江早耶(広島在)
- - 風間サチコ(東京在)
- - 宮永愛子(京都在)
- - 村上華子(パリ在)
- - 米田知子(ロンドン在)
これらの作家は、国際展での重要なアーティストとして普遍的な評価と支援を受ける機会を得ることになります。
選考プロセスと支援金制度
最終出展作家は、各国の委員会からの推薦を基に、NMWAのキュレーターが国際展示の観点から選定を行います。最終的には、各地域から1名の選定が行われることになりますが、その過程を通じて、候補作家たちは特別な注目を浴びることとなります。
さらに、2027年展から新たに導入された支援金制度も注目されています。これは、各国の公的統計を元にした平均収入に基づいて、候補作家の創作活動をサポートするものです。日本委員会では、この制度によって24万円を支給することが決定されました。
国内展の開催予定
また、2026年3月4日から、表参道ヒルズ内にあるAND COLLECTIONの協力を得て、日本の候補作家5名による展示会を予定しています。この展覧会は、各作家の独自性を際立たせる素晴らしい機会となるでしょう。
候補作家たちの略歴
それぞれの候補作家には、異なるバックグラウンドと独自の表現方法があります。入江早耶は広島県出身で、二次元イメージを立体作品に変える新たな技法で評価を受けています。また、風間サチコは墨を基にした木版画で歴史や社会構造を描き出し、宮永愛子は印象的な素材を用いて時間の可視化を試みています。村上華子は古典写真技法を駆使して視覚メディアの歴史を探求し、米田知子は戦跡や震災地の記憶を静謐に捉えた作品で国際的に高い評価を得ています。
NMWAと日本委員会の役割
NMWAは、女性アーティストの作品に特化した先駆的な美術館で、1983年の創立以来、未評価の領域を見直しながら多様性を拡充する活動を続けています。「Women to Watch」は、次世代の才能を国際社会に紹介する重要なプログラムです。日本委員会も、2021年の発足以来、日本の女性アーティストの国際的な発信を支援し、さまざまな啓発活動に取り組んでいます。
この展覧会と候補作家たちの成功を期待しつつ、アートを通じての多様性の拡がりに心から期待を寄せています。