作家・森絵都さんの最新文庫『あしたのことば』が、6月26日に発売されました。
本書は、言葉の力と温かさを描いた9つの物語を収録した短編集です。
巻頭作品である「帰り道」は、光村図書の小学6年生国語教科書に掲載された作品です。おしゃべりな周也(しゅうや)と寡黙な律(りつ)は、ちょっとした行き違いから気まずいまま下校することになります。それぞれの思いを抱えた二人が、言葉を通してどのように成長していくのか、読み手の心を揺さぶる物語です。
ほかに、クラスメイトからのひと言について考える「富田さんへのメール」、亡き祖母に思いを馳せる「遠いまたたき」、転校先で新たな一歩を踏み出す「あしたのことば」など、現代の子どもたちにとって共感できるテーマが盛り込まれています。
文庫化に際して書き下ろされた短編「%」も収録されており、読み応えのある一冊となっています。
さらに、人気イラストレーターとのコラボレーションも実現しました。しらこさん、赤さん、長田結花さん、早川世詩男さんなど、著名なイラストレーターたちが、それぞれの物語の世界観を表現するカラーイラストを描き下ろしています。
本書は、学校での「朝の読書」や、夏休みの感想文にも最適です。また、収録作品は中学入試にも頻出で、香蘭女学校中等科、横浜雙葉中学校、横浜女学院中学校など、多くの学校で出題されています。
言葉の力、そしてその温かさに触れることができる、感動的な短編集『あしたのことば』。ぜひ手にとって読んでみてください。
森絵都さんの最新作『あしたのことば』を読ませていただきました。言葉の力強さ、そして温かさを改めて感じることができた作品でした。
特に印象的だったのは、小学6年生の国語教科書に掲載された「帰り道」です。おしゃべりな周也と寡黙な律という対照的な二人の少年が、言葉を通して成長していく姿は、読者である私も含め、多くの人に共感を与えるのではないでしょうか。
本書には、現代の子どもたちが直面する様々な課題が描かれています。SNSでの誹謗中傷、親との関係、将来への不安など、現代社会ならではのテーマが、言葉を通して丁寧に描かれていました。
そして、各話に添えられた人気イラストレーターたちの作品も、物語の世界観をさらに深めていました。イラストによって、それぞれの物語の情景が目に浮かび、より一層作品に没頭することができました。
『あしたのことば』は、言葉の力と温かさを改めて感じることができる、感動的な短編集です。子どもはもちろん、大人も楽しめる一冊と言えるでしょう。