木質耐火部材『消火木™』の誕生
木材を使用した耐火部材として、株式会社シェルターをはじめとする数社が共同開発した新たな製品『消火木™-しょうかもく-』が、1時間の耐火性能に関する国土交通大臣認定を取得しました。この製品は、消火薬剤を含浸した木材を使用した耐火被覆を用いており、その精緻な技術は建築業界に大きなインパクトを与えています。
1. 目的と背景
環境意識の高まりとともに、木材の利用が注目を集めている現代において、木質耐火部材の需要が増加しています。また、近年ではSDGsやESGの観点から、木材を利用することで建物の意匠性や快適性向上、さらには不動産価値の向上が期待されており、木造建築の法整備も進展しています。新たな耐火基準が設けられたことにより、中層建築物への木質利用が促進されることが見込まれています。
2. 『消火木™』の特徴
環境配慮型の設計
『消火木™』は、環境負荷の低減と資源循環を目的とした設計が施されています。木材は全て木で構成されており、製造過程でのCO₂排出を削減し、さらにコンクリートなどの他の材料と比較して、CO₂固定にも寄与するのです。解体時に発生する木材は再利用が可能で、資源の循環が図られています。
多様な薬剤の使用
この耐火部材には、性能の異なる二種類の薬剤が使われています。まずは、リン酸系の薬剤による「燃え止まり層」で、これは荷重支持部材を保護します。リン成分が自然界にも存在することから、発火を抑制し、消火後も再発火を防ぐ効果があります。さらに、カリウム系の薬剤は火災時にエアロゾルを生成し、周囲の火災を抑制します。
性能試験の結果
耐火性能試験においては、900℃を超える環境下で荷重を加えた状態での1時間の燃焼試験が行われ、翌日には荷重支持部材に炭化が見られないことが確認されました。これは『消火木™』の高い耐火性能を証明するものであり、安心して利用できる材料であることを示しています。
地域資源の活用
この材料は、国産のスギ材を使用することで実現されています。全国どこでも調達することができ、輸送コストの削減にもつながっています。地元の森林資源を活かすことで、地域経済にも貢献することが期待されています。
3. 今後の展望
株式会社シェルターはこの技術を次世代の環境配慮型木造建築技術として位置づけており、今後1.5時間、2時間耐火性能の大臣認定を目指します。これにより木材利用のさらなる推進が期待されており、市場ニーズに応じた柔軟な対応を進めていきます。
木質耐火部材『COOL WOOD』と連携し、環境に配慮した街づくりへ貢献することがシェルターのビジョンです。これからも、都市に森をつくるという企業理念のもと、木材の特性を最大限に活かした製品開発を続けてまいります。
4. 会社情報
株式会社シェルターは1974年に設立され、木質構造部材の研究・設計・製造・販売を行っています。全国に展開する支社を持ち、木造防耐火設計や木造耐火コンサルティング、さらには木造都市づくりの企画においても先進的な取り組みを続けています。今後のさらなる技術革新に期待が寄せられています。