多様性と包摂を追求するランスタッドの新たな挑戦

総合人材サービスを展開するランスタッド株式会社が、9月3日より発表した「インクルージョン&ビロンギングレポート2024」では、世界39ヵ国におけるインクルージョン&ビロンギング（I&B）推進の具体的な取り組みが紹介されています。企業としての目指すべき姿として、ランスタッドは「誰もがありのままで働ける社会」を掲げており、このレポートはその理念を実現するための貴重な実例が豊富に含まれています。

現代企業におけるインクルージョンの必要性

人材不足が深刻化し、ビジネス環境が劇的に変化する現代。すべての人が自らの力を充分に発揮できる環境整備が求められています。ランスタッドが実施した2025年の「ワークモニター」調査によると、専門職の80%が勤務先を選ぶ要因として「帰属意識」や「コミュニティ感」を重視しており、従業員が活躍できる「包摂的な環境」が重要視されています。この報告書は、リーダーや人事担当者がインクルージョンを単なる理念だけでなく実際の業務戦略として取り入れるヒントを与えてくれるものです。

世界各国での具体的な活動事例

ランスタッドのI&B戦略の要は、社員やクライアントとの関係性において、公平性を強化していくことです。たとえば、ドイツでは50歳以上の求職者14,000人の就業支援を行い、年齢に関しての公平性を推進しています。オーストラリアでは障がい者の雇用を促進するパイロットプロジェクトが成功を収めるなど、各国の特有の課題に対処するための先進的な事例が報告されています。また、フランスでは難民労働者と求人を結びつけるアプリの試験運用が行われ、実際に申請者の41%がemploymentの機会を得ることにも成功しました。

日本におけるインクルーシブな取り組み

ランスタッド・ジャパンにおいても、従業員リソースグループ（ERG）がインクルーシブな職場の形成に貢献しています。ジェンダーERGによる国際女性デーのイベントや、LGBTQI+関連の啓発活動が評価され、職場の多様性推進に寄与しています。特に、職場でのLGBTQI+への取り組みについての「PRIDE指標」では、4年連続でゴールド認定を受けるなど高く評価されています。さらに、障がい者に関する支援も行っており、手話ERGによる交流会や合理的な配慮に関するウェビナーなどが実施されています。

今後の展望

ランスタッドのCEO、サンダー・ヴァント・ノールデンデ氏は、人材不足が進行する中で「公平性こそが企業の競争力」と述べています。全ての人が持つ可能性を引き出し、次世代に向けた強いチームを作るための取り組み、特に人材育成に注力しています。2024年には400万時間以上が人材トレーニングに投じられ、進化する労働市場に対応する人材育成戦略が計画されています。

結論

「インクルージョン&ビロンギンググローバルレポート2024」は、ランスタッドが描くより良い未来に向けての確かな一歩です。多様性を生かした職場環境の重要性が強調されており、企業が持続可能性を考える上での貴重なリソースと言えます。どんな人でも協力し合いながら活躍できる職場を目指し、これからも挑戦を続けるランスタッドの動向から目が離せません。