城田圭介が描く新たな視覚体験『視差と時差』展
2025年5月8日から5月20日まで、神奈川県鎌倉市のギャラリーQuadrivium Ostiumにて、アーティスト・城田圭介の個展「視差と時差」が開催されます。この展示では、静物をテーマにした新たな表現が展開され、観覧者に特別な視覚体験を与えることでしょう。
展示の概要
城田圭介の「視差と時差」は、彼の作品が持つ深いテーマ性と技術的な巧妙さを映し出すものです。特に、静物画に焦点を当てたこの展では、写真と絵画の視差を探求し、更には描写行為に伴う時間の違い、つまり時差について考察が及んでいます。
例えば、展示の一つである「Still Life, Antique Bowl and Stainless Steel Bowl」は、19.6×30cmのサイズで、写真と水彩という異なるメディアを用いて構成されています。城田は、肉眼で捉えた対象を写真に取り、次にその同じ視点から絵を描くという工程を踏むものの、最終的にはこれらを切り貼りし、独自の視覚環境を創り上げていきます。
この作品は、物が持つ本質や意義を、様々な時間軸や認識の層を通しつつ反映させることを目指しているのです。古美術品をモチーフにした作品も加わり、時間を超えた対話が繰り広げられます。
視差と時差のコンセプト
城田は、視差を「左右両眼の異なる視点から生じる視覚の違い」、時差を「見る行為の時間的な隔たり」として捉えています。写真と絵画は、それぞれ異なる文脈で同一の対象を映し出しますが、観賞時においては見る者自身の精神状態や時間感覚によって変化します。これにより、作品を通じて自身と向き合い、深層意識にアクセスする機会が生まれるのです。
ギャラリーQuadrivium Ostiumについて
会場となるQuadrivium Ostiumは、現代アートと古美術が融合したギャラリーです。ラテン語で「十字路の入口」を意味するこの場所は、様々な時代から集まる芸術作品たちが交差する重要なスポット。ギャラリー内には30点以上の作品が常時展示されており、独自の視覚体験が提供されています。日本のアートシーンでの新たな場所としても注目が集まっています。
トークショー&レセプションパーティーの開催
本展では、5月10日(土)にトークショーや作品鑑賞会、レセプションパーティーも開催予定です。城田自身の解説を聞きながら、作品への理解を深めることができる貴重な機会です。
- - トークショー: 14:00~15:00
- - 作品鑑賞会: 15:00~16:00
- - レセプションパーティー: 16:00~18:00
これらのイベントはどなたでも参加でき、予約も不要。アートとの距離を縮め、城田圭介の新境地を体感する良い機会となるでしょう。
終わりに
「視差と時差」展は、単なるアート展示に留まらず、見ることの意味や価値、そして、私たちが日常的に経験する時間と空間の構造について考えさせられる展示です。城田圭介の独自の視点によって展開される作品群にぜひご注目ください。