株式会社Scalarが新たにリリースしたScalarDL 3.10の特徴
データ管理の信頼性向上を目指す株式会社Scalarは、分散台帳データベースミドルウェアであるScalarDLの新しいバージョン3.10をリリースしました。この新バージョンは、データの改ざんを検知し証拠性を保証するアプリケーションの開発を大幅に簡素化するための革新機能を搭載しています。
汎用コントラクトによるアプリケーション開発のローコード化
これまでScalarDLでは、データの改ざんを検知したいユーザーが独自に「コントラクト」と呼ばれるプログラムを開発する必要がありました。しかし、この開発プロセスは技術的なハードルが高く、多くの利用者にとって大きな負担となっていました。ScalarDL 3.10は、この課題を解消すべく、事前定義された汎用コントラクトを提供します。
この新機能により、ユーザーは自身で複雑なプログラムを書く必要がなく、既存の汎用コントラクトを活用することでローコードでのアプリケーション開発が可能となりました。工数を削減しつつ、安全性の高いアプリケーション開発が実現することで、多くのユースケースにおいて即戦力となります。また、公開された汎用コントラクトは正しい実装方法のリファレンスガイドとしても機能し、複雑なアプリケーション開発を支援します。
デバッグ容易性向上のためのエラーコード体系化
さらにScalarDL 3.10では、エラーコードが体系化され、エラーメッセージに組み込まれる形で問題の特定が容易になりました。以前はエラーの原因を洗い出すための手間がかかりましたが、新しい体系化によりエラー解決が効率的に行えるようになり、開発者や運用者の負担を大幅に軽減します。
今後の展望と開発方針
Scalarは、汎用コントラクトで利用可能な機能を今後さらに拡充する計画を持っています。また、2025年7月にAmazon QLDBのサポート終了を受けて、スムーズなマイグレーションを実現するための汎用コントラクトも開発中です。これにより、ユーザーは古いシステムから新しい環境への移行が容易になります。
加えて、ScalarDLの運用を効率化するツールセットや、低コストでのデータ移行を実現するアーカイブ機能、高速な実行エンジンの開発研究なども進められています。これらの取り組みは、データ管理の信頼性向上に貢献し、利用者にとっての利便性をさらに高めることを目指しています。
株式会社Scalarについて
2017年に設立された株式会社Scalarは、東京とサンフランシスコを拠点とするグローバルスタートアップです。「データ管理をより信頼できるものにする」というミッションのもと、分散トランザクションマネージャー「ScalarDB」やデータ改ざん検知ソフトウェア「ScalarDL」の開発・販売を行っています。その情報は公式ウェブサイトで確認できます。