大和ハウス工業、気候変動アクション環境大臣表彰を受賞
2024年11月12日、大和ハウス工業株式会社は「令和6年度気候変動アクション環境大臣表彰」を受賞し、持続可能な社会への貢献を評価されました。本表彰は、気候変動に関する優れた取り組みを行った団体に授与されるもので、今回の受賞は「気候危機に負けない!ひと・まち・くらしを守る16の取組み」と「工場における地中熱と低温排熱の冷暖房への活用」に起因しています。
再生可能エネルギーの未来を見据えた取り組み
大和ハウス工業は創業100周年を迎える2055年に向けて、環境長期ビジョン「Challenge ZERO 2055」を掲げ、環境負荷ゼロの実現を目指しています。このビジョンの下、同社は気候変動への適応と緩和を主なテーマとしており、特に水害対策や熱中症の未然防止に力を入れています。2024年5月現在、全国17の自治体と災害時の協力に関する連携協定を締結しており、地域の防災拠点としても機能する物流施設を整備しています。
水害リスク対策の具体例
日本各地で増加する豪雨や洪水に対するリスクを軽減するため、大和ハウスは浸水対策を施した物流施設の提供に努めています。具体的には、浸水リスク評価を行った上で、地盤を嵩上げし、雨水貯留・浸透施設の設置を推進。特に長野県のマルチテナント型物流施設「DPL長野千曲」では、災害時の避難所として活用できるスペースを確保しており、最大48名の受け入れが可能です。また、全社としてハザードマップに基づいた水害対策や災害対応訓練の実施も行っています。
熱中症対策の革新
近年では、特に夏季における熱中症が懸念される中、大和ハウスは環境センサー「WHEATHERY」を導入。施工現場における温湿度や風速をモニターし、危険レベルに達した際には管理者に通知するシステムを構築しています。これにより、現場作業員の安全性が大幅に向上しました。その他にも、ファン付き空調服の導入支援や低価格での飲料提供など、多様な対策を講じて熱中症の未然防止に注力しています。
地中熱・排熱利用システムとは
「未来工業」との協力で実現した「地中熱・排熱利用熱供給システム」は、建物内の冷暖房や生産設備の効率的な冷却を実現。地中熱を利用したオフィスや工場のZEB(Net Zero Energy Building)化を目指し、CO2の年間排出量を1000トン以上削減することが可能になりました。このシステムは、今後も他の工場への展開が予定されています。
今後の展望
大和ハウス工業は、これからも環境負荷を減らす取り組みを深化させ、地域社会への貢献を目指すと同時に、再生可能エネルギーの推進に努めていく意向です。未来の持続可能な社会の実現に向けて、同社の挑戦は続きます。