舞台『マイクロバスと安定』が開幕!
最近、竹中直人さんと生瀬勝久さんが中心となる演劇ユニット・竹生企画が、第四弾となる新作『マイクロバスと安定』を東京・下北沢の本多劇場で初披露しました。この公演は、7年半の間を経ての再登場ということで、多くのファンの期待が寄せられていました。
物語は、主役の舞台演出家・成清圭吾が疎遠だった旧友の戸張修一郎とその娘・早帆を迎えるところからスタートします。演出助手の井岡や、舞台での女優として奮闘する真咲、そして隣人たちが描くそれぞれの人間関係が徐々に解明されていく心理サスペンス劇に仕上がっています。
深まる人間ドラマと感情の揺れ
作・演出を手掛ける倉持裕さんは、キャラクターたちの心情と立場に焦点を当て、観客が共感できるように構成しています。各キャラクターの抱える背景や心理状態が次第に明らかになるにつれ、観客自身の感情も揺さぶられる展開が繰り広げられます。この巧妙な脚本によって、観る者はまるで自分自身がその場にいるような感覚を味わうことができます。
演者たちの表現力も見事です。竹中直人さんはその瞬間瞬間に心情を豊かに演じ分け、観客の目を釘付けにしています。一方で、生瀬勝久さんの重厚な演技は時間の流れや人物間の関係の推移を鮮明に伝えており、どちらの演技も目が離せません。
苗字の通りの明るさを持つ飯豊まりえさんや、情感豊かな演技を見せる戸塚純貴さんも、本作の魅力を大いに引き立てています。サリngROCKさんのキャラクターは一種の違和感を生じさせ、それがまた観客の興味を引き立てる要素に。松浦りょうさんの存在感も際立っており、各出演者が持ち味を存分に発揮しています。
舞台美術と音楽の演出
舞台全体を彩る美術や照明、音響、衣装などのスタッフたちの手腕も見逃せません。それぞれの要素が一体となって、物語の現実味を高めています。更に、栗コーダーカルテットの音楽が時折挿入されることで、現実と非現実の境界をリアルに感じさせながら進行します。
期待を超える作品の誕生
今回の公演は、下北沢という新しい舞台での上演です。これまでの日比谷とは異なる雰囲気の中で、役者たちがどのようなパフォーマンスを展開するのか、観客にとっても新たな期待感を与えています。
公演は11月30日まで続き、その後は兵庫や広島など全国に巡演する予定です。生の舞台が持つダイナミックさや、観客との対話によって変化する作品の魅力を存分に味わえる機会となるでしょう。
さらに、作・演出を担当する倉持裕さんや出演者たちからも上演に際してのコメントが届いています。彼らの思いや舞台に懸ける情熱が、観客へも確実に伝わってくることが期待されます。
舞台『マイクロバスと安定』、一体どのような感動が待っているのか。ぜひ劇場に足を運んで、その目で確かめてみてください。公演の詳細は公式サイトにて確認できます。お見逃しなく!