日英デジタルパートナーシップの新たな成果と未来への展望
2024年1月22日、水曜日に行われた第3回日英デジタルパートナーシップ政務級会合は、総務省、経済産業省、デジタル庁が中心となり、英国科学・イノベーション・技術省と共に進められました。この会合の目的は、日英両国のデジタル分野における協力の進捗を確認し、次の段階へ向けた戦略的方向性を示すことです。
会合の概要
会合には、日本側から阿達雅志総務副大臣、古賀友一郎経済産業副大臣、岸信千世デジタル大臣政務官が、英国側からはマーガレット・ジョーンズ科学・イノベーション・技術省政務次官が出席しました。会議はオンライン形式で行われ、以下の重要なテーマが扱われました:
- - Beyond 5G/6G分野における研究開発のイニシアティブ
- - 半導体サプライチェーンの強靭化
- - デジタル・マーケットプレイス及びガバメントクラウドにおける協力
共同声明の主なポイント
この会合での成果は、共同声明として取りまとめられ、以下の重要なポイントが明記されました。
(1) 半導体
両国は、半導体設計や化合物半導体、フォトニクスなどの分野でのサプライチェーン強靭化に関する協力を今後も継続し、研究開発や商業協力をさらに促進していくことに合意しました。
(2) AIの重要性
AIガバナンスの国際的な重要性を認識し、2024年5月に設立される広島AIプロセス・フレンズグループとの連携を強化します。また、AIの安全性に関する知識の共有を図るため、日英のAIセーフティ・インスティテュートが位置付けられました。
(3) 電気通信と多様性
次世代の電気通信技術や、Open RANを活用したサプライチェーンの多様化についての協力を進めていくことが確認されました。特に、Beyond 5G/6Gに関する研究開発イニシアティブが注視されています。
(4) サイバーレジリエンス
IoT製品のセキュリティに関して、両国でのスキームの互換性を確保し、企業のセキュリティ対策の評価を共有することが掲げられました。
(5) データガバナンス
データの越境移転に関する障壁の解消と、DFFT(データの自由な流通)の具体化を目指し、G7やOECDなどの国際フォーラムで協力を進めます。
(6) 政府のデジタル変革
2024年7月には、英国GDSと日本のデジタル庁がオンラインで専門家会合を開催し、政府のデジタル化に関する知見を交換する予定です。これは、デジタル・マーケットプレイスやガバメントクラウドの導入によって、コスト削減や生産性向上が期待されています。
まとめ
この日英デジタルパートナーシップ政務級会合は、両国のデジタル分野での協力を深化させる一大イベントとなりました。サプライチェーンの強化からAIガバナンスの強化に至るまで、未来に向けた戦略的アプローチが数多く提案されました。両国は今後も協力し合い、イノベーションを促進し、デジタル経済の発展に貢献していくことが期待されます。