IVS2025で新規事業の真髄に迫る「Ready Crew Innovation night」レポート
2025年7月3日、日本最大級のスタートアップカンファレンス「IVS2025」のサイドイベントとして『Ready Crew Innovation night 』が開催され、多くの注目を集めました。このイベントは、新規事業の立ち上げに関するリアルな実践知を共有することを目的とし、スタートアップや大企業の各界からのリーダーたちが集結しました。
「IVS2025」は、グローバルなベンチャーキャピタルであるHeadline Asiaが主催するスタートアップの大規模なカンファレンスであり、全国から次世代の起業家たちが集います。今年のイベントではフロンティア株式会社がダイヤモンドスポンサーとして参加し、3日間の会期中に3つのセッションと2つのサイドイベントを主催するなど、盛りだくさんの内容となりました。
参加者の実践知を共有
本サイドイベントには、新規事業開発で活躍する多様な専門家が登壇し、ビジネスの創出におけるリアルな判断や決定過程を語りました。その中で、「新規事業を生むには何が必要か?」というテーマのもと、実際に経験したことや失敗談も交えつつ活発なディスカッションが行われる場となりました。
パネリストとモデレーター
参加者には、IMA株式会社の海野慧氏、ohpner株式会社の土井健氏、フロンティア株式会社の田中翔理氏が名を連ね、モデレーターにはビジネスプロデューサーの藤澤さしみ氏が務めました。この豪華な顔ぶれにより、各専門分野からの視点が与えられ、参加者たちに新しいインサイトを提供しました。
新規事業の心構えについて
藤澤氏が、土井氏に新規事業に対する心構えを尋ねると、土井氏は「致命傷以外はすべてOK」との見解を示しました。これは、事業の過程での試行錯誤こそが成功への鍵であるという哲学に基づいています。失敗を恐れず挑み、時には損切りも必要だとしつつ、自身の成長に繋がる経験を繰り返す重要性について話しました。
一方で、海野氏は「新規投資は広告費」との考えを述べ、投資行動そのものが企業の取り組みを知ってもらうためのアプローチであると力説しました。彼は、個別の案件の成否だけでなく、業界全体のエコシステムの成長につながる観点が大切だと強調しました。
「村をまたぐ」意義
新規事業は思うように生まれないことも多く、土井氏は「村をまたぐ」との考え方を示しました。異なる業界や企業間協力を進めることで、新しいビジネスの芽を見つける可能性が高まるのです。海野氏も「住み慣れた村を越えた経験が新しい発見に繋がる」と述べ、多様感や新しい視点の重要性を強調しました。
人間の役割とAI
藤澤氏がAIやテクノロジーの進展による既存業務の変化について触れ、田中氏は「感動を超えるかどうか」を新たな基準として挙げました。従来の手法の中で「本当に必要なもの」を見極めることが今後の事業にとって必須であると語り、人間の感覚や直感が持つ強みを再認識させる発言が印象的でした。
未来の働き方について
新規事業に関する議論は、未来のビジネスシーンや働き方にも言及しました。海野氏は、今後は楽しんでいる人が生き残る時代になるとし、従来の右肩上がりではなく、多様な価値観を尊重した新しい「生活」に焦点を当てる時代を予感させました。
終わりに
このサイドイベントを通じて、参加者が新たなインスピレーションを受け、新規事業への挑戦を促す機会が提供されました。実践から得た知見をもとにした濃密な時間を経て、次世代の挑戦者たちが新しい事業を生み出すきっかけとなることを期待しています。今後の「村をまたぐ」取り組みにより、新しいビジネスの可能性がさらに拡がることでしょう。