資生堂がIFSCCカンヌ大会2025で29回目の最優秀賞を受賞
2025年9月、フランス・カンヌで開催された「第35回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)カンヌ大会2025」において、資生堂の高井英輔研究員が全798件の研究報告の中からポスター発表部門で見事「最優秀賞」を受賞しました。この栄誉は資生堂にとって29回目の受賞となり、世界の化粧品メーカーの中で最多となります。
この大会は、世界中の研究者が集まり化粧品技術を競う場として知られており、全体で668件のポスター発表と68件の口頭発表が行われました。資生堂の研究の質の高さは、国際的に高く評価されていることが改めて証明されました。
受賞テーマの詳細
今回の受賞に関する研究テーマは「顔形状のダイナミクス:重力応答型3D顔画像解析による非遺伝的要因の解明と顔形状を改善する成分開発」です。
研究概要
顔の形状は、遺伝的要因だけでなく、加齢や生活習慣、環境要因によっても影響を受けます。スキンケア分野では、非遺伝的要因を考慮したアプローチが重要になるものの、それらを定量的に評価する仕組みはこれまで確立されていませんでした。
本研究では、重力応答型3D画像解析を用いて、加齢による「たるみ」と生活習慣に起因する「むくみ」の2つの因子を特定しました。さらに、「むくみ」に関連する表皮の炎症メカニズム、特に炎症性サイトカインVEGFA(血管内皮増殖因子A)を抑制する成分として「1-(ヒドロキシエチル)エチレン尿素」を発見しました。この研究により、顔の印象に対する科学的アプローチを持つスキンケア製品の可能性が示されました。
IFSCCについて
国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)は1959年に設立され、現在は78カ国と地域の48団体、約16,000名以上の会員を有する組織です。IFSCCは、化粧品技術の向上と安全性向上を目的として活動しており、毎年開催される大会には数百の研究発表と1,000名を超える参加者が集まります。そのため、IFSCC大会は世界中で権威ある化粧品に関する研究発表の場として広く認識されています。
資生堂は今後も、この研究成果を基に革新的な価値を創出し、世界中の人びとに向けて「美の力でよりよい世界を」という企業のミッションを果たすため、ビューティーイノベーションを推進していきます。
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