プロジェクトの概要と重要性
Green Carbon株式会社が、ベトナム南部のAn Giang省で展開する「水田のAWD導入によるメタンガス削減プロジェクト」が、世界初となるボランタリークレジットのVerraに受理され、正式にリスト化されました。この取り組みは、温室効果ガスの削減に向けた重要な一歩として注目されています。
Verraとプロジェクトの背景
Verraは、国際的なカーボンオフセット基準を定める管理団体であり、クレジットの認証基準であるVerified Carbon Standard(VCS)を通じて、温室効果ガス削減のプロジェクトを認定しています。しかし、2023年2月3日には稲わらを使用したメタンガス削減に関するVCSの登録が一時停止されるという事態が発生しました。これは、内部のレビュー結果を受けたもので、調整が必要とされたためです。この背景のもと、Green CarbonはAn Giang省でのプロジェクトの申請を推進し、ついに受理されました。
水田AWDとは
このプロジェクトにおいて採用されるAWD(間断灌漑)技術は、水田において数日おきに水位を調整し、入水と自然乾燥を繰り返す方法です。この手法により、持続可能な農業が実現可能となり、必要な水の使用量が減少することで水資源の保全にも貢献します。
プロジェクトの目標
An Giang省では、約100haの水田で年間3期作を実施する実証を完了しており、この成功を基に2032年までに11.6万haまでの拡大を計画しています。最終的には約400万トンのカーボンクレジットを創出する目標があります。
今後の展望
Green Carbonは、2023年11月に発表されたベトナム政府が主導する「100万haプロジェクト」にも参加します。このプロジェクトは、メコンデルタ地域の水田面積を2030年までに100万haに拡大し、環境に優しい稲作を普及させることを目的としています。Green Carbonは、農家に対して質の高い稲作を推進し、農業の効率化、農家の所得向上を目指します。
農業パートナーシップの構築
さらに、日本の高い米の品質基準をクリアするため、現地のパートナーであるLoc Troi Groupとも連携し、ジャポニカ米の輸出を積極的に進めています。これにより、日本国内の米不足問題の解決にも寄与し、かつての農業の姿を再構築する試みが進行中です。
まとめ
Green Carbonの取り組みは、環境負荷の少ない農業を実現し、さらにカーボンクレジットの創出によって持続可能な社会を目指す重要なステップであるといえるでしょう。温室効果ガスの削減活動は、今後も注目される分野であり、このプロジェクトがそれに寄与することが期待されています。