JSRとイルミメディカルが新しい光医療技術の共同研究を開始

新たな光医療技術の実現に向けた共同研究

2023年10月、JSR株式会社（東京都港区）とイルミメディカル株式会社（愛知県名古屋市）が、抗体-ナノ磁性粒子複合体と血管内光照射技術ET-BLIT®を組み合わせた新しい治療・診断技術の確立を目指し、共同研究契約を締結したことが発表されました。この研究は、両社の技術力を活かして、革新的な光診断および光治療技術を早期に臨床応用することを目指しています。

JSRとイルミメディカルの技術背景

JSRは、抗体-ナノ磁性粒子複合体を用いた治療法の研究を進めており、バイオプロセス材料や体外診断薬など、ライフサイエンス領域に特化した事業展開を行っています。このナノ磁性粒子は、腫瘍細胞に特異的に結合し、光照射によって熱を発生させることで腫瘍細胞を死滅させるメカニズムを持っています。

一方のイルミメディカルは、血管内光照射技術ET-BLIT®を開発しており、この技術はカテーテルを用いて非侵襲的に腫瘍を治療することが可能です。動物実験を通じて、その有効性も確認されており、今後の技術の深化が期待されています。

共同研究の目的

両社の共同研究では、抗体-ナノ磁性粒子複合体とET-BLIT®の組み合わせにより、より効果的な光治療の実現が目指されています。この組み合わせは、抗体が腫瘍に集積した部位に対して光照射を行うことで、顕著な抗腫瘍効果を示すことが期待されています。この方式は、既存のがん治療法に対する新たなアプローチとなりうるのです。

また、将来的には、この研究から得られた成果物を事業会社にライセンスする権利をイルミメディカルが有することも特筆すべき点です。

光治療の未来

光治療技術は、がん治療に留まらず神経系疾患や再生医療など、さまざまな分野での応用が期待されています。JSRとイルミメディカルの連携により、光医療の可能性が一層広がり、今後の医療分野に革新をもたらすことが期待されます。

この共同研究の結果が具体的な治療法として実を結ぶことにより、多くの患者に恩恵をもたらし、医療現場における新たな選択肢を提供する日が待たれます。今後の進展に注目です。

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