音声によるストレス分析に向けた新たな共同研究
株式会社ラフール(東京都中央区)は、SMK株式会社(東京都品川区)及び立正大学の永井智教授と共に、音声を用いたストレスレベル分析のアルゴリズムに関する研究を始めることが発表されました。このプロジェクトでは、SMKが提供する音声分析技術を基に、従業員のストレスに関する新たなアプローチが模索されます。ウェルビーイング支援と企業の離職率低下が目的です。
近年のメンタルヘルス課題
企業の持続可能な成長のために、従業員のメンタルヘルスケアの重要性が高まっています。しかし、従来のセルフチェックによるストレス評価は、個人の主観に依存しがちであり、客観性が不足しています。回答頻度も限定的で、組織内の実情を反映するには不十分です。そこで、より客観的にストレスの兆候を把握できる手段が求められています。
この背景から、株式会社ラフール、SMK株式会社、立正大学が協力して音声分析技術を用いたメンタルヘルス支援を進めることになりました。各組織の専門性を生かし、精度の高いストレス傾向の把握を目指します。
各社の役割
ラフールは組織改善を支援する「ラフールサーベイ」を通じて、企業のメンタルヘルス対策に関わっています。また、エンゲージメントや人的資本経営の向上に注力しています。
一方、SMKはCanary Speechの音声分析技術を活用し、多くのソリューション開発の実績があります。立正大学の永井教授からは、研究倫理に関する専門的な知見が提供され、科学的な視点でのアプローチが可能となります。
研究手法と体制
本研究は、音声分析における先進技術を駆使します。SMK及びCanary Speechチームは、その技術を基盤にしてモデル開発や応用に取り組む予定です。また、立正大学の倫理審査委員会からの承認を経て、研究が進行します。
収集される音声データは、日本語話者を対象としており、ストレスに関連する音声特徴の抽出と分類ロジックの構築が焦点になります。約1,000名から入力が得られる見込みで、2025年7月にはデータ取得が始まります。
目指す成果と活用法
本研究を通じて、音声と主観的なストレス評価との関連を分析し、音声を使って業務環境を改善するための新しい手法やアルゴリズムを開発します。見込まれる活用分野は多岐にわたり、以下のようなケースが考えられます。
- - 企業の人事・健康管理: 音声データを通じてストレス傾向を把握することで、メンタルヘルス対策に役立てる。
- - コールセンター業務: 通話音声を分析し、オペレーターのストレスの可視化を行う。
- - 運輸・物流業界: ドライバーの運転前後の音声チェックで、ストレス状態を把握し、安全運転を促す。
- - AIロボットや音声対話システム: ユーザーのストレスを把握し、適切な対応をするシステムの開発。
まとめ
ラフールとそのパートナーたちによる音声を活用した新しいストレス分析の試みは、メンタルヘルスの向上に警鐘を鳴らすもので、今後の展開に期待が寄せられます。従業員の健康を守るための革新的な手法が確立されれば、企業文化の向上も実現できるでしょう。
会社情報
- - 社名: 株式会社ラフール
- - 設立: 2011年11月30日
- - 所在地: 東京都中央区日本橋茅場町2-9-5 日進ビル7階
- - 事業内容: メンタルデータテック、採用支援事業など
- - URL: ラフール公式サイト
サーベイの詳細
- - ラフールサーベイ: 組織改善を目的としたサーベイ実施。2,200社超の企業で利用。
- - テキカク: 採用候補者と企業文化のマッチ度を可視化し、最適な人材を選ぶツール。