アントン・スハノフの作品がGPHG 2025で輝く！エッグ・クロックの魅力

アントン・スハノフのエッグ・クロックがGPHG 2025で受賞

ロシア・サンクトペテルブルクを拠点とする独立時計師アントン・スハノフが、スイス・ジュネーブで開催された「Grand Prix d’Horlogerie de Genève 2025」（GPHG 2025）で「ホロロジカル・レベレーション賞」を受賞しました。この栄誉は、若手時計師に与えられる特別賞として、アントン氏と彼のマニュファクチュールに対する国際的な評価と影響を一層高めることとなりました。

エッグ・クロック《St. Petersburg Easter Egg Tourbillon Clock》について

受賞作のテーブルクロック《St. Petersburg Easter Egg Tourbillon Clock》、通称「エッグ・クロック」は、ロシアの宝飾工芸「イースターエッグ」からインスパイアを受けた作品です。この時計は、伝統的な装飾に依存せず、洗練されたミニマルなデザインで21世紀の sensibility を巧みに表現しています。

クロック本体は卵の形状をしており、脚部は全く見えないため、視覚的に非常にユニークです。ミラーポリッシュのステンレススチール製ベースの上には、手彫りのギョーシェと半透明のホットエナメルで飾られたシルバー製のケースが被さり、その上にドーム型のサファイアクリスタルが輝いています。

機能性とデザインの調和

また、卵型の優美な造形の中に、24時間表示の回転ベゼルがアクセントとして存在します。このベゼルは、世界24のタイムゾーンすべてに対応しており、さらにフライング・トゥールビヨンの秒表示としても機能しています。

加えて、この作品のムーブメントは手巻き式で、約7.5日（182時間）のパワーリザーブを誇り、時・分・秒に加えてワールドタイム機能も搭載しています。デザインと技術が高次元で融合した点が、受賞の大きな要因となったのでしょう。

「イースターエッグ」の秘密

このテーブルクロックには、オーナーを楽しませるための2つの「イースターエッグ」が隠されています。1つ目は、暗闇で輝く「フレーミング・バランスホイール」で、トゥールビヨンがまるで光の輪を描くように見える仕掛けです。2つ目は本体が「起き上がりこぼし」のように自立する構造を持ち、重心を低く設計しているため、傾けてもゆったりと戻ってきます。この動きには、「何度倒れても再び立ち上がる人間の強さ」という象徴的な意味も込められています。

高い評価を受けたデザイン

ミニマルなデザインの中に、ワールドタイム機能や24秒フライング・トゥールビヨン、伝統的なギョーシェ彫りとエナメル装飾、さらには2つのユニークなギミックが高次元で統合されている点が、多くの審査員と専門家に評価されました。古典的なテーマを基にしているにも関わらず、それを現代アートとして昇華させたのが、本作の最大の魅力です。

GPHGおよび受賞の意義

GPHGとは、時計業界の最高峰を誇る国際賞であり、今回のホロロジカル・レベレーション賞受賞は彼が新星として正式に認められたことを意味します。《St. Petersburg Easter Egg Tourbillon Clock》は、世界限定でたった24点のみ制作された極めて希少な時計で、すでに完売していますが、オリジナルカラーでの特注も受け付けています。