株式会社ジーシーがZEB認証を取得した富士小山工場第5工場の竣工

株式会社ジーシーの次世代型工場「富士小山工場第5工場」について

2023年10月7日、歯科医療総合メーカーの株式会社ジーシー（東京都文京区）が、静岡県小山町に新たに「富士小山工場第5工場」を竣工しました。この工場は同社の創業100周年を記念して建設されたもので、環境への配慮とサステナビリティをテーマにした設計が特徴です。

環境への配慮とZEB認証

新しく竣工した第5工場には、961枚の太陽光パネルが設置されており、外壁には地域の景観に調和した緑色のセルを使用。環境と調和した施設として、ZEB（Net Zero Energy Building）認証を取得しています。この認証は、建物の年間エネルギー消費量が再生可能エネルギーの供給量と等しくなるというもので、ジーシーはこれを実現しています。

小山町に位置する富士小山工場では、1976年の設立以来、地域社会や自然環境への配慮を重視して多様な環境保全活動を行ってきました。工場内の約50%は緑地であり、地域の生物多様性保護も行っていて、絶滅危惧種のハグロトンボやツチガエルの生息も確認されています。この長年の活動に対する評価として、「緑化優良工場等表彰」制度からも数々の賞を受賞しています。

サステナブルなデザイン

今回の第5工場は、国際的に有名な建築家、坂茂氏の設計によるものです。坂氏は、紙管や木材を使った革新的な建築で知られており、この工場もその概念を体現しています。特に注目されるのは、高機能換気設備や自然冷媒CO₂ヒートポンプ給湯器、そして人感センサーを利用した全館LED照明の導入です。これにより、消費電力を大幅に削減し、再生可能エネルギーを使用した持続可能な建設を実現しています。

工場の外観は、コンクリートの無機質なイメージを刷新し、地元の富士山との美しいコントラストを考慮したピラミッド型のデザインが特徴です。下階には製造エリアを広く設け、上階には関係者のための展望スペースが設置されています。この設計により、周囲の環境との調和が強調され、特に新東名高速道路への影響を最小限に抑えています。

今後の展望

ジーシーは今後、Vision 2031を掲げて「健康長寿社会を実現するリーディングカンパニー」となることを目指しています。富士小山工場第5工場は、その実現に向けた重要な拠点となる予定です。地域社会と環境への配慮に基づいた活動を通じ、新たな価値の創出を目指しています。

このように、「富士小山工場第5工場」は、ジーシーの100年の歴史を継承しつつ、未来に向けての持続可能な取り組みを強化するための象徴的な設施となることでしょう。この新工場が、地域に与える影響や、サステナブルな技術の進展に期待が寄せられています。