神島小中学校の児童が高専体験
2023年5月22日、三重県鳥羽市にある鳥羽商船高等専門学校で、神島小中学校の6名の児童・生徒が「一日高専体験」に参加しました。このプログラムは、神島の子どもたちが普段目にする大型船の役割や、そうした船を支える技術者について理解を深めることを目的として実施されました。
渡航船鳥羽丸での授業体験
まず、参加した児童・生徒たちは商船学科の授業を体験し、練習船である「鳥羽丸」に乗り込みました。教員が用意した神島周辺を航行する船の絵を使い、どのような荷物が運ばれているのか、どんな職業の人が乗っているのかをクイズ形式で学びました。このアプローチは、子どもたちの興味を引きつけ、楽しく学ぶ環境を提供していました。
続いて、航海士の仕事を体験するために船橋に移動し、双眼鏡を使って海の様子を観察した後、教職員の指導を受けながら操舵にも挑戦しました。現場での実践を通じて、彼らは手に取るように「海の職業」を体感しました。
機関コースでの体験
その後、児童たちは機関士の授業を受けるために機関制御室へ。機関長からは機関士の肩章の由来についての話を聞いたり、エンジンルームを見学したりしました。この体験は、船の技術面への理解を深め、機械のメカニズムを知る良い機会となりました。また、整備作業の一環で号鐘を磨くことによって、機関士としての仕事に触れることもできました。参加した児童からは「楽しかった。かっこいいと思った」という感想が寄せられました。
情報機械システム工学科の授業体験
次に、児童は情報機械システム工学科の授業も体験しました。ここで児童たちはロボットを操縦し、自らプログラムを組み立てて動かすために試行錯誤しました。できたときには「嬉しい!もっと挑戦したい」と笑顔を見せました。
一方、高校生たちはディープラーニングを用いた画像認識システムを通じてAIの仕組みを学びました。特に、ポーズを認識する体験が印象的だったようで、「普段使うAIの裏側を知ることができた」と感想を語りました。
STEAM教育の重要性
今回の一日高専体験は、見ること、聞くこと、そして実際に手を動かすことで、問題解決能力や創造性を育むSTEAM教育にも大きく寄与したと考えられます。総じて、このような取り組みは、子どもたちが科学技術に触れる絶好の機会を提供し、将来的な職業選択の幅を広げることにつながります。
鳥羽商船高等専門学校の紹介
鳥羽商船高等専門学校は、1875年に航海測量習練所として設立された歴史深い学校です。商船学科と情報機械システム工学科を有し、地域社会から国際舞台で活躍できる技術者の育成に努めています。今後も子どもたちに向けた体験プログラムを続けていく方針です。
学校概要
- - 所在地: 三重県鳥羽市池上町1番1号
- - 校長: 古山雄一
- - 設立: 1881年
- - 公式ウェブサイト: 鳥羽商船高専