アバナードとサイトコアの共同調査が明らかにしたビジネス改善の視点
2018年6月5日、シアトルとサンフランシスコで発表されたアバナードとサイトコアによる共同調査が、企業におけるカスタマーエクスペリエンス(CX)の現状と課題を浮き彫りにしました。調査は11カ国に及び、1,440人の経営幹部にインタビューを行い、その結果、企業の95%がCXの向上を必要としていることが明らかになりました。
マーケティングテクノロジーの活用がカギ
調査によれば、60%以上のマーケティング担当者が、マーテク(マーケティングテクノロジー)の適切な活用が大きな収益を生むと回答しています。しかし、全体の約3分の2の回答者は、自社のCXが達成されていないと感じており、特に日本では88%に達しています。この現状から、企業はマーテクを正しく実施しない限り、優れたCXを実現するのが難しいことが分かりました。
CX向上の障壁
企業が直面する一つの大きな障壁は、不十分なマーテクスタックです。約半数のマーケティング担当者が、「適切なテクノロジーを使用しない限り、一貫したCXを提供するのは困難」と述べており、利益回収にも支障をきたしていると警告しています。
AIとアナリティクスの重要性
調査結果は、AIおよびアナリティクスを活用することが、顧客ニーズを特定し、CXを向上させる手段として重要であることも示しています。しかし回答者の過半数が、まだこれらの技術を有効活用していないと回答しています。今後は、企業がこれらの先進技術の導入を推進すべきです。
チームスキルの再評価
さらに、企業はチームのスキルやトレーニングの見直しを行う必要があります。現在、半数以上のマーケティング担当者が「マーテクスタックが使いづらい」と感じており、それを解決するためには、社員の教育やパートナー企業との協力が求められています。
新たな役割分担の必要性
サイトコアとアバナードは、企業がCMO、CIO、CDOの役割分担を見直すことで、優れたCXの提供が可能になると指摘しています。そして、テクノロジーとマーケティングのバランスを取りながら、顧客との関係性を強化することが企業の競争力を高める鍵だとしています。
リーダーの声
アバナードのCTIOの星野友彦氏は、「優れたCXは3倍のROIをもたらすが、マーテクの最適化が必要」と語っています。また、サイトコア株式会社の酒井秀樹氏は、「日本はCXを重要視しながらも、デジタル化で課題を抱えている」と述べ、両社が連携して日本企業のCX向上を支援していく意向を示しています。
この調査結果から、企業がミスマッチを防ぎ、マーケティングテクノロジーを活用することで、顧客体験の向上と収益の増加を図る必要性が浮き彫りになりました。
調査方法
調査は2018年2月にVansonBourne社が実施し、アメリカや日本を含む計11カ国から1440人のCIO、CTO、CMOらを対象に行われました。対象企業は年商5-10億ドルで、従業員数が1,000人以上の大企業が選ばれています。
更なる支援への取り組み
アバナードとサイトコアは、企業のマーケティング部門とIT部門がマーテクをより効率的に導入し活用できるよう、引き続き支援を行っていきます。詳細な調査レポートは、以下のリンクよりダウンロード可能です。
レポートのダウンロード