出光興産の新たな挑戦
出光興産株式会社は、持続可能な航空燃料(SAF)の製造に向けた野心的なプロジェクトを進めています。これを実現するための重要なステップとして、山口県周南市に位置する徳山事業所において基本設計のフェーズに移行することが決定されました。
SAF製造プロジェクトの概要
このプロジェクトは、HEFA(Hydroprocessed Esters and Fatty Acids)技術を利用しており、廃食油や獣脂などの廃棄物原料を原料とする計画が立てられています。予定では、2030年までに日本国内のエアラインが使用する燃料の約10%をSAFに置き換えることを目指しています。
出光興産は、年間50万kLのSAF供給体制を構築するために、徳山事業所での年間25万kLの生産を2030年までに実現する考えです。その第一歩として、2028年度からこのSAFの生産を開始する計画が立てられています。
フェーズ移行の意義
プロジェクトのFeasibility Study(FS)が完了したことで、徳山事業所における建設候補地の選定や、所内での建設影響の確認が進められました。この段階で、プロジェクトの実現可能性が確認されたため、次の段階であるFEED(基本設計)に移行することとなりました。
FEEDは、プロジェクトの具体的な課題、リスク、費用について詳細に精査する重要なプロセスです。このプロセスを経て、SAF製造に必要な設備の基本仕様が決定されることになります。
目指す未来
このプロジェクトは、出光興産が航空業界の脱炭素化に寄与するための重要な取り組みです。国や航空業界が掲げた目標を実現するために、出光は千葉事業所でのATJ(Alcohol to Jet)技術を活用した実証生産に加え、徳山事業所でのHEFA技術による生産を進める計画です。さらに、海外プロジェクトからの供給も加わることで、年間に合計50万kLのSAFの供給が実現します。
出光興産のSAF供給体制が整うことで、より持続可能な航空燃料の普及を促進し、温室効果ガス削減に寄与できることでしょう。これにより、航空業界の未来は大きく変わる可能性があります。出光興産の取り組みに期待が寄せられます。
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