ブルース・スプリングスティーンがジェシー・マリンに捧げるカバー曲
米国のロック伝説、ブルース・スプリングスティーンが、元ハート・アタックのシンガーであるジェシー・マリンの楽曲「She Don’t Love Me Now」をカバーしました。この曲は、スプリングスティーンが療養中のマリンに捧げる形で公表されたもので、彼自身のアルバムへの感謝の気持ちを表現しています。また、この曲は9月20日にリリースされるトリビュート&ベネフィットアルバム『Silver Patron Saints: The Songs Of Jesse Malin』にも収録される予定で、収益は全て“Sweet Relief Artist Fund”に寄付されます。
ジェシー・マリンの思いとブルース・スプリングスティーンの影響
マリンは自身のオリジナル曲を録音した際に、スプリングスティーンが制作に与えた影響を語り、「彼は僕たちが憧れていたスタックス・ソウルのエッセンスをこの曲に与えてくれた」と述べています。オリジナルの「She Don’t Love Me Now」は、マリンの2015年のアルバム『New York Before The War』に収録されており、スプリングスティーンがバンドメンバーと共に参加し、ジェイク・クレモンズがサックスを加えた2024年版のカバーに仕上げられました。
音楽の力と復活への道
ジェシー・マリンは近年、脊髄性脳卒中という重い病にかかり、下半身が麻痺するという厳しい状況に直面しています。5月にはインスタグラムで自身の状況を報告し、「音楽は常に超越や団結のテーマを持っている」と語りました。友人やプロデューサーたちによる支えで、このトリビュートアルバムが実現するとは思いもよらなかったとのことです。彼は「音楽の力で、再び人生に興奮を感じられるようになった」と感慨深く振り返ります。
多くのアーティストの協力
マリンは、音楽シーンで長年にわたり他者の活動を支えてきたことから、彼を支えるために参加した多くのアーティストに感謝を述べています。ブルース・スプリングスティーンやビリー・ジョー・アームストロング、ルシンダ・ウィリアムスなど、多彩なアーティストが参加しており、その中には約27曲が収録されたアルバムもあります。
目指す復帰ステージ
マリンは12月にビーコン・シアターで行われるライブに出演が決定しており、キャリア史上最大規模のステージで復活を果たす予定です。彼はこのライブに向けてフルセットで準備を進めており、様々なゲストも参加予定です。
ロックジャーナリストのデヴィッド・フリックは、「ジェシー・マリンは多くの傷跡を抱え、その1つ1つにストーリーがある。彼にはまだ語れることがある」と述べ、アルバム『Silver Patron Saints』を彼のロックンロールの仲間たちへの贈り物として位置づけています。
この特別なコラボレーションとアルバムのリリースが、どのように音楽界に影響を与えるのか、今後の展開が期待されます。