2025年2月21日に、新刊書籍『藤田まこと 修芸生涯』が発売される。この作品は、没後15年となり、父の付き人を務めた長女の原田敬子が初めて藤田まことの素顔を描き出したものだ。藤田まことは、日本のテレビドラマや映画で多くの名作に出演し、国民に広く知られる不世出の名優である。
彼は『てなもんや三度笠』や『必殺シリーズ』、さらには『京都殺人案内』や『はぐれ刑事純情派』など、数多くのヒット作を持ち、その存在は今もなお色あせない。今回の出版は、藤田の多面的な人間性や、舞台裏での生活を浮き彫りにすることを目指している。
本書には、原田が語る舞台裏の出来事だけでなく、藤田と共演した9人の俳優たちによる貴重なエピソードも収録されている。黒柳徹子や三田村邦彦、萬田久子、京本政樹、西島秀俊、小林綾子、山口馬木也、和久井映見、大倉忠義といった著名な俳優たちが藤田との確かな絆や思い出を語っており、それぞれが藤田の人柄や魅力に触れている。
藤田の座右の銘は「人生、あきらめたらあかん」。この言葉の通り、彼の人生は波乱万丈であった。闘病生活の中でも、藤田は決して性格を変えず、庶民派スターとしての姿勢を貫いた。『てなもんや三度笠』での栄光や、様々な挫折、さらには65歳で抱えた60億円の借金生活など、波乱に満ちたエピソードが満載だ。
また、家族の目から見た藤田の素顔も描かれており、娘である原田敬子がどういった思いで父を見つめていたのか、彼女の視点を通して新たな感動が得られる。特に、藤田との家庭生活における心温まるエピソードが多く紹介されており、ファミリーの視点からの物語は、読者にとって特別な感情を呼び起こすだろう。
『藤田まこと 修芸生涯』の構成は、闘病生活の奮闘から始まり、庶民派スターとしての成長、特に重要な作品に焦点を当てる章が続く。各章は、藤田がどのように役者として台頭し、愛され続けていたのかを詳述。また、コラムセクションでは、彼の趣味やダンディズムについても触れており、一般的なイメージとは異なる一面を知ることができる。
発行元の立東舎は、文芸やカルチャー関連の作品を精力的に出版しており、藤田まことの人生を追体験できる本書もその一環である。早くも多くのファンからの期待が高まっている。藤田まことのファンはもちろん、彼を知らない世代の読者にとっても、きっと彼の魅力的な生涯を知る貴重な機会となるだろう。