世界避妊デーを迎えた若年層へのメッセージ
2025年9月26日は「世界避妊デー」であり、一般社団法人ソウレッジはこの日を記念して、若年層の妊娠不安と緊急避妊薬に関する調査結果を発表しました。この調査は、若者の健康とライフプランに大きな影響を与える妊娠のリスクを理解し、より良い避妊方法の提供を目指すものです。
調査の背景と目的
若年層の予期せぬ妊娠は、その当事者にとって人生設計に大きな打撃を与える可能性があり、精神的にも肉体的にも深刻な影響をもたらします。妊娠の予防手段として緊急避妊薬が重要視される中、日本国内ではそのアクセスが課題とされています。価格が高いこと、入手経路の制約、情報の不足が多数の若者にとって壁となっています。
この調査は、その現状を洗い出し、効果的な支援策の考案につながることを目的に実施されました。
調査概要
- - 実施期間: 2025年4月25日〜4月28日
- - サンプル数: 約12,587人のスクリーニング調査と1,397人を対象とする本調査
- - 調査項目: 妊娠不安の経験、避妊方法、緊急避妊薬の認知、服用状況及びその障壁
- - 倫理的配慮: 性に関する設問については「回答しない」の選択肢も設けられました。
調査結果のまとめ
調査によると、性行為を行ったことのある若者の60%以上が妊娠に対する不安を抱えており、その多くが10代から20代の間にこの不安を感じていることが分かりました。これは、予期せぬ妊娠が若者にとって非常に身近な問題であることを示しています。
緊急避妊薬の認知と服用状況
緊急避妊薬の認知度は全体で66%に達し、10〜30代では70%を超えていました。しかしながら、実際に服用経験がある人は全体で13%、10〜20代では約25%という結果でした。
購入希望場所と価格の認識
若者が緊急避妊薬を購入したいと考える場所で最も多いのは「ドラッグストア」で67%、次いで「薬局」および「産婦人科」が60%に達していました。また、適正だと感じる価格は3000円が最多で、3000円以下を望む人は57.9%にのぼりました。5,000円以下でも構わないと答えた人は75%に達しています。
政策提言
調査の結果を元に、ソウレッジは以下の提言を行っています。
1. 緊急避妊薬の認知度向上を図ること
2. 薬局での販売価格を3000円程度に引き下げる努力をすること
3. 医療機関やユースクリニックで無償提供を行うこと
4. 若者の声を制度設計に取り入れること
この調査について、ソウレッジの代表鈴木莉帆氏は「妊娠の不安が若者にとって身近な問題であることが明らかになった。また、緊急避妊薬の入手には高い価格や情報の不足が大きな壁となっている」と説明しています。緊急避妊薬は多くの人に必要とされるものであり、誰もが必要なときに迷わず入手できる環境を整えることが重要です。
一般社団法人ソウレッジについて
ソウレッジは「自分の人生を自分でコントロールできる社会」を目指し、性教育や性と生殖に関する権利を推進しています。若者が安心して生きられる環境作りを目指して活動しています。
これらの結果を受けて、今後もソウレッジは若者の声を政策に反映し、緊急避妊薬の認知向上や価格の引き下げを実現していくことを目指します。