CHUGAI INNOVATION DAY 2025 日目2 レポート
中外製薬株式会社が開催した「CHUGAI INNOVATION DAY 2025」は、ヘルスケア分野におけるサイエンスとテクノロジーの交差点を探求するビジネスカンファレンスです。
2025年11月28日のDAY2には、タイトル「サイエンス×テクノロジーの可能性」とした講演が繰り広げられました。この日は、健康と医療の未来を形作る方法について、様々な専門家とともに探求が行われました。
最後まで多くの聴衆を惹きつけたこのイベントは、オンラインとオフラインで合わせて3,674名もの参加者を迎えました。内容は、多岐に渡り、業界を超えた連携が具体的な事例として紹介されました。
セッション概要
Session 1: サイエンス×テクノロジーで創るヘルスケアの未来
このセッションでは、基調講演がいくつか行われました。最初の講演は、東京大学の竹内教授によるもので、嗅覚が脳に及ぼす影響について説明されました。香りが認知症進行を抑える可能性についての研究成果も紹介され、参加者の関心を引きました。
次に、ソニーコンピュータサイエンス研究所の遠藤氏が、義足アスリートのためのプロジェクト「Blade for」の二本柱について話しました。これは、トップアスリート向けの技術と、より多くの人に利用できる技術の民主化を目指しています。
慶應義塾大学の杉浦教授は、AI技術の今後の応用についての講演を行い、特にマルチモーダルAIの進展が社会に与える影響について述べました。
Session 2: 異分野融合が拓く DXの最前線
次に、塩野義製薬の三春氏は、ヘルスケアの未来を創り出すためのオープンイノベーションの重要性について語りました。デジタル分野での革新が企業の発展に不可欠であることを訴え、実際の取り組みを示しました。
小野薬品工業の三戸氏は、プロスタグランジンを用いたオープンイノベーション事例を詳しく説明し、社員教育との関連について掘り下げました。アストラゼネカの大河原氏は、自動車業界とのコラボレーション事例を紹介し、移動を通じた健康の促進の可能性を探りました。
Session 3: 個別化医療の可能性を広げるDX
最後のセッションでは、中外製薬の釘本氏がPHC(Personalized Healthcare)ソリューションについて話しました。患者一人ひとりに最適な医療を提供するための取り組みが強調され、実験治療や新技術の進展も紹介されました。
株式会社ExaMDの羽間氏は、次世代のヘルスケア技術について、特化型AIやデバイスの活用方法を説明しました。ウェアラブルデバイスによるフレイル評価の最新研究について、国立長寿医療研究センターの大須賀氏も言及し、医療の現場でのデジタルバイオマーカーの重要性に触れました。
このように、DAY2では、医療の最前線で活躍する専門家たちがそれぞれの視点から次世代の医療と技術へのアプローチを提言し、今後の可能性について議論が交わされました。参加者たちは、新たな医療の形を見据えて、様々なアイデアを得ることができたことでしょう。
中外製薬は、今後も多様な技術と手法を駆使し、ヘルスケア分野におけるイノベーションを推進していくことでしょう。