大阪ガスと東京大学の新たな挑戦
2025年3月、大阪ガス株式会社(社長:藤原 正隆)は、東京大学 先端科学技術研究センター(所長:杉山 正和)との包括連携協定を締結しました。この協定は、脱炭素社会の実現に向けた新たな研究や開発を促進するために重要な一歩です。これにより、エネルギー分野だけでなく、気候変動対策やヘルスケアなど、さまざまな社会課題に取り組む姿勢が明確になりました。
協定の背景と目的
大阪ガスは、これまでの取り組みをさらに深化させることを目指しています。単独での開発では成し得ない研究テーマを共同で創出し、研究者の育成やネットワーク形成を進めることで、社会に還元することが目的です。具体的には、両者の強みを生かした新たなイノベーションを生み出すことが狙いです。
東京大学 先端科学技術研究センターの特徴
東京大学 先端科学技術研究センターは、1987年に設立された比較的新しい研究機関で、文系と理系を問わず多様な専門分野の研究者が集う場所です。学際的なアプローチを重視し、社会の変化に対応した課題に挑む研究活動が行われています。ここでは、カーボンニュートラルや社会システムに関連するさまざまな研究が展開されており、大阪ガスとの連携はその成果を社会に生かすための重要なステップとなります。
大阪ガスの先端技術研究所の役割
大阪ガスは、2024年にリリースした中期経営計画2026の中で、社会課題の解決に向けた研究開発の強化を掲げています。マイルストーンとして、ゴールに向けたさまざまな課題を解決するためのイノベーション創出を進めています。特に、カーボンニュートラルの推進に加え、エネルギーのレジリエンス向上や先端的なソリューション開発が期待されています。
主要な研究開発テーマ
- - D-BHB: 発酵生成による天然由来品で、ダイエットや睡眠改善、運動機能向上効果がある物質です。
- - SPACECOOL: 放射冷却技術を利用した光学フィルムで、ゼロエネルギーで外気より低温を実現する新素材です。
産学連携の具体的な取り組み
今回の協定に基づき、大阪ガスはまず気象分野での研究を進めることになります。風力発電所の発電量推定の向上を目指し、東京大学の専門家から学術指導を受けるところからスタートします。また、2024年には、JSTの支援プログラム「ClimCORE」に参加し、日本地域の気象データを活用した研究が進められる予定です。
このような連携により、大阪ガスは再生可能エネルギー、特に太陽光や風力における評価技術の向上を図ります。これがエネルギー事業全体の改善に寄与し、さらなるイノベーション創出につながると考えています。
今後の展望
大阪ガスは、連携協定を基に、今後も解決すべき社会課題のテーマを中心に据えた活動を行っていく予定です。両者の研究者が相互に交流し、共創ラボを設置し情報発信を行うことによって、新たな知見が生まれることを期待しています。社会実装へとつながる研究成果の発信と、人材育成に注力することで、持続可能な社会の実現に貢献していく所存です。
概要
- - 企業名: 大阪ガス株式会社
- - 本社所在地: 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号
- - 設立日: 1897年4月10日
- - 事業概要: ガスの製造・販売、電力の発電・販売等
- - WEBサイト: osakagas.co.jp