サザビーズ香港での最高落札価格記録
2026年9月28日、サザビーズ香港で特別オークション「The Foujita Lexicon: Works from the Lewis Collection」が開催されました。このオークションは、イギリスの実業家が所有する「ルイス・コレクション」から出品された藤田嗣治の作品15点で構成され、全てが見事に落札される「ホワイトグローブセール」を達成しました。
その中でも特に注目を集めた作品が《夢(ラ・フォンテーヌ頌)》(1949年油彩・キャンバス)です。入札は7分以上にわたり、高額で競り合われ、最低落札予想価格の6倍以上である2,652万香港ドル(約5億3,232万円)に達したことで、このオークションの最高落札価格を記録しました。なんとこの作品を落札したのは、軽井沢安東美術館の創設者である安東泰志氏で、彼は藤田嗣治の作品だけを専門に収蔵・展示しています。
この傑作は、11月10日からいよいよ軽井沢安東美術館で一般公開されるため、期待が高まっています。
藤田嗣治の芸術世界
藤田嗣治(1886~1968)は、1913年にフランスに渡り、「乳白色の下地」という独自の技法で1920年代のパリに登場し、瞬く間に国際的評価を確立しました。第二次世界大戦中は従軍画家として戦争の記録画を描いたため、戦後には日本画壇からの厳しい批判を受け、孤独な環境で創作活動に専念しました。その後、1949年にニューヨークに滞在し、1955年にフランス国籍を取得しました。彼は晩年、レオナール・フジタの名で知られるようになり、名声を確立しました。
75年ぶりの一般公開
今回の公開となる《夢(ラ・フォンテーヌ頌)》は、藤田が1949年から1950年にかけてニューヨークで制作し、同年の個展にも出品されました。この作品は、フランスの詩人ジャン・ド・ラ・フォンテーヌに捧げられた特別なものです。1951年にはマドリードでの展示を最後に、その後は個人のコレクションに所蔵されていましたが、今回の一般公開は実に75年ぶりのことです。
作品には、ベッドで安心して眠るキツネの家族と、壁に描かれた嵐に立ち向かうキツネが対比されています。この対照的な情景には、藤田自身の深い思いが込められているのではないかと思われ、観覧者の想像力をかきたてます。
「ニューヨークの藤田嗣治」展
現在、軽井沢安東美術館では藤田嗣治生誕140周年を記念した特別企画「ニューヨークの藤田嗣治」展を開催中です。本展では、藤田がニューヨークで過ごした10か月間にサフォーカスを当て、当時の彼の日常や新たな芸術探求の歩みをしっかりと紹介します。11月10日からは《夢(ラ・フォンテーヌ頌)》も加わり、展示内容がさらに充実します。
皆様の来館を心よりお待ちしております!
詳細情報
- - 会期: 2026年7月11日(土) ~ 2027年1月11日(月・祝)
- - 公式サイト: 軽井沢安東美術館
- - 所在地: 〒389-0104 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢東43番地10