資生堂は、2024年10月14日から17日にかけてブラジル・イグアスフォールで開催された第34回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)大会にて、口頭発表基礎部門において最優秀賞を受賞しました。この大会は、世界中の化粧品技術者が集まり、研究成果を発表する場として名高く、資生堂はこの大会で28回目の受賞を誇ります。
資生堂の受賞者は、みらい開発研究所の井上大悟研究員です。彼は「シミ特有の細胞老化現象の解明」というテーマに関する研究を発表し、シミがどのように発生し、定着するのかについての新たな知見を提供しました。井上研究員は受賞コメントの中で、日々進化する科学の中で皮膚科学もまた進化していることを強調し、彼自身の研究がこれからの新しいシミ研究の序章となることを期待しています。
井上研究員の研究は、シミの生物学的ダイナミクスを解明し、特にミトコンドリアの酸化的リン酸化(OXPHOS)活性の低下がシミによって引き起こされることを明らかにしました。シミに見られる過剰なメラニン蓄積がOXPHOSの低下や細胞老化を助長することも新たに示され、この知見はシミ改善のための新しい治療法の開発につながります。
加えて、資生堂の沖嶋杏奈研究員も若手研究員に贈られるHenry Maso Awardを授与され、今後の研究活動に大きな期待が寄せられています。資生堂はこれまで以上に、グローバルな視点での研究開発を推進し、「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」という企業ミッションの実現を目指しています。
IFSCCは、1959年に設立された国際的な化粧品技術者の団体で、今日では世界81の国と地域の組織から約16,000人以上の会員が参加しています。毎年開催されるこの大会には、数百件の研究発表が行われ、数千人の参加者が集まるため、化粧品に関する研究発表の権威ある場として知られています。
2024年の大会における資生堂の成果は、シミの改善に向けた新たな道を切り開くものであり、革新的な価値を創出し続けることを示しています。今後も資生堂は、世界中の人々に美のイノベーションを届けるべく、不断の努力を続けていきます。今後の研究の展開にも注目が集まります。