ストレスチェックの結果から見える小規模組織の現状と課題とは
はじめに
近年、メンタルヘルスが注目されていますが、その中でも特に従業員数50人未満の小規模組織に焦点を当てた動きが進んでいます。株式会社ドクタートラストのストレスチェック研究所によると、これらの組織には特有の強みと課題が存在します。本記事では、ストレスチェックで得られたデータを基に、50人未満の組織が直面している現状について探っていきます。
ストレスチェック制度とは
ストレスチェック制度は、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防ぐことを目的として、2015年から50人以上の事業場で年1回の実施が義務付けられています。2028年からは50人未満の事業場でも義務化されることが予想されるため、現在この制度をどう活用するかが問われています。
調査結果の概要
従業員数50人未満の組織の受検率
ドクタートラストが実施した2024年度のストレスチェックでは、受検対象者626,794人のうち555,956人が実際にストレスチェックを受検。その中でも、50人未満の組織の受検率は92.8%と高い数値を示しました。この高受検率は、企業とも従業員側もストレスチェックへの理解と取り組みが進んでいることを示唆しています。
高ストレス者率が最も高い小規模組織
一方で、興味深いことに高ストレス者率も最も高かったのは50人未満の組織で、その率は15.7%となりました。逆に、1,000人以上の組織では低い12.4%となっており、ストレスを感じている従業員の割合が多いことが分かります。特に、数人の高ストレス者がいるだけで小規模組織では業務や士気に直接影響が及ぶため、注意が必要です。
小規模組織の課題と強み
課題:キャリア形成と職場の一体感
調査結果から、特にキャリア形成や職場の一体感、安定した報酬面が不十分である傾向が見られました。小規模だからこそ一人一人の役割が大きい一方で、教育や支援が不足しているため、従業員の離職率が高まるリスクも指摘されています。これは、メンタルヘルスの観点からも重大な課題です。
強み:身体的負担と仕事のコントロール
逆に、小規模組織には身体的な負担や仕事のコントロール、職場環境においては良好な傾向が見られました。従業員同士が近い距離にいるため、コミュニケーションがしやすく、業務の裁量も大きいため、自分のスタイルで働くことが可能となります。
今後の展望
2028年にはストレスチェックが義務化されることが予定されているため、今後は小規模組織においてもメンタルヘルス対策に本格的に取り組む必要があります。日常のコミュニケーションを通じて、一体感を高め、キャリア支援を強化していくことが求められます。
まとめ
50人未満の組織は、受検率が高い一方で高ストレス者率も高いという特有の特徴があります。今後、職場の一体感やキャリア支援の強化が求められる中で、制度の義務化に向けた準備が急務となっています。小規模だからこそできる取り組みがあり、その機会を最大限に活用していきたいものです。