介護食市場の現状と課題:ビジネスケアラーの負担軽減に向けたUDFの役割
キユーピー株式会社が実施した「介護にまつわる意識調査」の結果が発表されました。本調査は、在宅における介護の実態を調査し、介護の不安解消や課題解決に向けた提案を目的として、2017年から毎年実施されています。
今回の調査では、特にビジネスケアラー(仕事をしながら家族の介護を行う人)に焦点を当て、介護における食や市販用介護食の認知率・購入率について分析しました。その結果、ビジネスケアラーは、UDF(ユニバーサルデザインフード)について、一般生活者に比べて高い認知率と購入率を示す一方で、実際に一年以内にUDFを購入した人は半数以下という現状が明らかになりました。
ビジネスケアラーにおけるUDFの認知と購入
調査によると、介護が必要な家族のために食事ケアを行っているビジネスケアラーは、UDFについて「知っている」と回答した割合が、その他のケアラーよりも高いことがわかりました。しかし、一年以内にUDFを購入した割合は、やわらか食で21.8%、とろみ調整で12.5%と、依然として低い水準です。
介護食市場の成長と課題
UDF市場は年々拡大しており、2023年度の市販用販売規模は59億円に達しました。特に「かまなくてよい」カテゴリーの市場規模が大きく、21億円を占めています。しかし、ビジネスケアラーの負担軽減という観点から見ると、市販用介護食の利用はまだまだ進んでいないと言えます。
キユーピーの取り組み
キユーピーは、介護食市場の現状と課題を踏まえ、「やさしい献立」シリーズ発売25周年を機に、ビジネスケアラーの負担軽減につながる提案を進めています。「やさしい献立」は、UDFの規格に準拠した市販用介護食で、備蓄にも最適なシリーズとして、SDGs・災害食大賞©2023のローリングストック部門で最優秀賞を受賞しています。
介護における食の大切さ
介護が必要な方の食事は、単に栄養摂取だけでなく、生活の質を大きく左右する重要な要素です。キユーピーは、「やさしい献立」シリーズを通して、介護の現場においても「食の大切さ、楽しさ」を伝えていくことを目指しています。
まとめ
ビジネスケアラーは、介護と仕事の両立という困難な状況に置かれています。市販用介護食の活用は、ビジネスケアラーの負担軽減に大きく貢献する可能性を秘めています。キユーピーは、今後も介護食市場の課題解決に向けた取り組みを積極的に推進していくことが期待されます。