パナソニック株式会社は、英国のカーディフに拠点を構えるパナソニック マニュファクチャリングイギリス株式会社(PMUK)において、持続可能な工場運営を実現するための画期的なソリューションを導入しました。具体的には、純水素型燃料電池、太陽電池、蓄電池を組み合わせた再生可能エネルギー自家発電設備の実証プロジェクトを始動し、現在試運転を行っています。
この取り組みは、PMUKの電子レンジ組立工場の電力供給を完全に再生可能エネルギーで賄うことを目指しています。具体的には、21台の5kW型純水素燃料電池に加え、372kWの太陽光発電システムと1MWhの蓄電池を統合して、工場内での電力の自給自足を実現します。
環境への配慮が強く求められる現代において、パナソニックのこのプロジェクトは、英国内で製造されたグリーン水素を活用し、工場で使用される電力の脱炭素化に大きく寄与します。
この新たなエネルギーマネジメントシステム(EMS)は、工場の電力需要の変化に加えて、英国内の気象変動をも考慮した動的な電力管理を行うことが可能です。これにより、安定した電力供給を実現し、再生可能エネルギーの有効性を高めることが期待されています。
さらに、発電時に発生する熱エネルギーを電子レンジ工場内の暖房および給湯に利用することで、純水素型燃料電池のエネルギー効率は95%に達するとされています。このコジェネレーションシステムは、室内の温度調節に大きく寄与し、省エネルギーにもつながります。
また、既設の電気ボイラーとの熱連携を図ることで、工場内の給湯に必要な電力の消費も抑えられ、さらなる省エネを実現します。このように、パナソニックは先進的な技術を用い、持続可能なエネルギー利用を進めています。
パナソニックの取り組みは、欧州における環境先進地域で行われ、今回の実証はグリーン水素を活用した自家発電の新たなスタンダードを目指すものです。英国市場においては、地域の特徴に応じたソリューションを創出し、現地のパートナー企業との協力を促進しながら事業基盤を強化することを目指しています。国際的な気候変動対策に貢献するため、パナソニックは、WellbeingとSustainabilityが両立する社会の実現に向けて、長期的な視点での事業戦略を練っています。
今後、パナソニックはこのプロジェクトの実証運用を通じてさらなる技術的進化を図り、2050年までにカーボンニュートラルを達成するための具体的なアクションを継続していく計画です。
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