ロレアルグループの新成分2-MNGがもたらす美肌革命
2024年3月11日、ロレアルグループが発表した最新の研究成果が、皮膚における紫外線の影響改善に大きな期待を寄せています。この新成分、2-MNG(2-メルカプトニコチン酸グリシン)は、メラニンの合成抑制における全く新しいアプローチを提案しています。
背景と色素沈着の悩み
皮膚の色素沈着は、多くの人々が直面する問題です。肝斑や日光黒子、炎症後の色素沈着など、これらの症状は見た目に影響を与え、さらには心理的なストレスを伴うこともあります。実際、ある調査によると、肝斑患者の13%が抑うつ傾向を示しているとされています。このような見えない悩みが私たちの日常生活に影響を与えているのです。
2-MNGの革新的なメカニズム
ロレアルは、35年という長きにわたり色素沈着に関する研究を重ねてきました。その結果、メラニン合成を抑える有効な分子、2-MNGが誕生しました。この分子はアミノ酸の一種であるグリシンの誘導体であり、メラニンの前駆体に結合することで、その後の合成反応を阻止します。これにより、皮膚におけるユーメラニンやフェオメラニンの生成を効率的に抑えることが可能になります。
具体的には、2-MNGがメラニン前駆体に結合することで、メラノサイト(色素細胞)から老廃物として排出され、メラニンの合成が抑制されるという仕組みです。これまでのメラニン合成阻害剤とは異なる独自のアプローチが特徴です。
効果と臨床試験
2-MNGの研究は、様々な色素異常を軽減する効果が期待されています。最近の臨床試験では、老人性色素斑や加齢に伴うシミ、ニキビ跡など、特定の条件下で現れる色素沈着の軽減に成功しています。特に、紫外線照射後の即時黒化を効果的に抑制する結果が示されています。
ロレアルグループの研究責任者、アン・コロナ氏は「約半数の人が皮膚の色素沈着に悩んでおり、その結果として生活の質の低下を経験しています。この新成分の開発は、そんな人々にとって非常に重要な意味を持っています。」とコメントしています。
未来の展望
ロレアルは、「Beauty for Each(一人ひとりのための美)」を掲げ、今後もこの研究成果を基にさらなる成長を目指します。2-MNGは、単に皮膚ケア製品にとどまることなく、消費者のニーズに応えるための新たな可能性を秘めています。
ロレアルグループについて
ロレアルは115年以上にわたって美容業界をリードしており、多国籍なブランドポートフォリオと持続可能な開発を推進しています。9万人以上の従業員とともに、世界中の消費者の美を追求し続けています。日本においても1983年から研究開発を行い、最新の技術を用いた製品開発に努めています。